メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3439】黒牛 純米吟醸 中取り 瓶燗無濾過原酒(くろうし)【和歌山県】

2018.6.14 18:33
和歌山県海南市 名手酒造店
和歌山県海南市 名手酒造店

【TU会例会 全6回の⑥完】

 2カ月に1回のペースで、M居酒屋で開いている異業種間飲み会「TU会」。「登喜一 大吟醸 つるししぼり」「三光天賦 山廃純米 無ろ過生原酒 雄町」「伊七 純米大吟醸 雄町米 生酒」「鬼夜叉 遠心分離 純米」「奥播磨 純米吟醸 霜月 酒米福の花全量使用」と飲み進め、店主が最後6番目に持ってきたのは「黒牛 純米吟醸 中取り 瓶燗無濾過原酒」だった。

「黒牛」はかなり前、どの種類を飲んだのかは忘れたが、甘みが濃厚な酒という印象を持っていた。当連載では「黒牛 槽口 無濾過生酒 原酒 純米 中取り」(当連載【685】)を取り上げているが、これも濃醇で力強いお酒だった。今回のお酒はどうか。

 酒蛙「ほのかで上品な果実香。これ、旨い」
 KW「うん、これ、旨い」
 S 「これ、旨いなあ」
 酒蛙「甘み・旨みと酸が出ている。とくにさわやか感のある酸がいい。『黒牛』には重いタッチというイメージを持っていたが、これはやや軽快で、従来のイメージの酒とは違う。余韻は辛み。この辛みと酸で全体を締めている。これはいい」
 TU「酸。それも強酸ですね」
 KO「言われるとそうかも。飲みやすいお酒です」
 酒蛙「そう。原酒とはおもえない飲みやすさだ。酸にきれい感があるからではないか。シャープ感のある洗練されたお酒とおもう」

 瓶の裏ラベルの表示は「アルコール分18.0%、日本酒度+5.0、酸度1.7、アミノ酸度0.9、精米歩合50%、原料米 山田錦100%、平成28酒造年度」。

 蔵のホームページは、酒名「黒牛」の由来について、以下のように説明している。

「約1300年前、海南市『黒江』は、入り江奥の浜辺であり、今の蔵付近に黒い牛の形をした岩が波辺に見られたといいます。万葉集に3首の和歌で『黒牛潟』として詠まれ、黒江の地名由来となりました。犬養孝先生の歌碑が蔵脇に建立され当時を偲ぶ縁とされています。
遠浅であったうえ、地震による隆起、埋立で陸化し、室町時代末頃から漆器産地として栄えるようになりました。正統な純米酒を醸すにあたり地元の伝承を背負う覚悟を示すとともに、万葉の昔を偲べるような、まろやかな味わいを目指したことから酒銘としたものです」

 瓶のラベルにも「黒牛」を詠み込んだ以下の歌を掲載している。

「黒牛の海紅にほふももしきの 大宮人しあさりすらしも   万葉集巻七 藤原卿」

酒蛙

関連記事 一覧へ