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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3374】南部関 純米酒 花巻農業高校産米使用 ヒカリノミチ 無濾過生原酒(なんぶぜき)【岩手県】

2018.5.6 21:15
岩手県花巻市 川村酒造店
岩手県花巻市 川村酒造店

【Mうなぎ屋にて 全2回の①】

 異業種間交遊の日本酒研究会は毎月、M居酒屋で開いている。が、ときどき、OBメンバーも交え、Mうなぎ屋でも開いている。本番の研究会は毎月だが、Mうなぎ屋での飲み会は不定期。今回は研究会幹事会新年会の名目だ。まあ、飲むためには、なんでも理由はつくものだ。

 Mうなぎ屋は、女将さんが超美人で、利き酒能力&表現力が抜群。恐れ入る実力者だ。だから、出すお酒は女将さん任せにすることが多い。今回、トップバッターとして持ってきたのは「南部関 純米酒 花巻農業高校産米使用 ヒカリノミチ 無濾過生原酒」だった。

 わたくしは「南部関」に激しく反応した。セメダイン香(ベンゼン環芳香族系の芳香)が特長の「与右衛門」をわたくし大好きで、これまで当連載で13種類も取り上げているが、不思議なことにもうひとつの有力ブランド「南部関」に全く巡り会えないできたからだ。その「南部関」が目の前にいきなり登場したものだから、驚かずにはいられない。さて、いただいてみる。

 K 「旨いね」
 B 「酸も甘みもあって、美味しい」
 Y 「セメダイン香がある」
 酒蛙「プチプチ微発泡があり、酸が立つ。『与右衛門』と似たタイプだが、『与右衛門』より丸みを感じる」
 K 「本当においしい」
 女将さん「一杯目はピチピチが良いかと」
 B 「酒って、酸がなければ美味しくないね。これは美味しい」
 酒蛙「『与右衛門』より甘みが出ており、マイルド。『与右衛門』より落ち着き感がある。余韻は辛み」

 全員から大好評のお酒だった。う~ん、いつまでも、いくらでも飲み続けていられそうな酒だ。

 酒名「ヒカリノミチ」について、瓶の表ラベルは、以下のように説明している。

「ヒカリノミチは宮澤賢治先生が花巻農学校時代に生徒の意識高揚のために作った精神歌の一節にあることばで、生徒達が歩む未来を表していると解釈されています。精神歌は今でも花巻農業高校で歌い継がれています」

 この酒の原料米は、宮澤賢治ゆかりの花巻農業高校の生徒たちが栽培したものだ。

 また、裏ラベルはこの酒を以下のように紹介している。

「この純米酒は花巻農業高校の生徒たちが丹精込めて栽培した『ひとめぼれ』を100%使用しています。上槽後、一切処理をせずに、そのままの生原酒を瓶詰めしているため、滓が少し沈殿しますが品質には問題ありません」

 裏ラベルの表示は「原料米 岩手県産ひとめぼれ100%使用、アルコール分16.0度以上17.0度未満、精米歩合60%」。

「ひとめぼれ」は、宮城県古川農業試験場が1982年、「ササニシキ」に代わる宮城県産米のエースを育てるため、母「コシヒカリ」と父「初星」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1992年に品種登録された飯米用品種。現在、わが国の飯米用品種の主力のひとつに育っている。

 酒名「南部関」の由来についてコトバンクは「酒名は、かつて大相撲の最高位が大関だったことから、『南部の大関』の意で命名」(【酒蛙注】当時、横綱は無かった)と説明している。

酒蛙

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