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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3371】稲田姫 純米吟醸 生貯蔵(いなたひめ)【鳥取県】

2018.5.3 21:37
鳥取県米子市 稲田本店
鳥取県米子市 稲田本店

【鳥取にて 全3回の③完】

 鳥取地方を旅行した。わたくし、旅行にはまったくこだわらない。旅行計画を立てたり、各種予約をするのが面倒臭いので、いつもパック旅行を利用している。鳥取県はいちども足を踏み入れたことがない県だったので、期待大だ。

 1泊目は温泉旅館に泊まり、わたくしにとっての初蔵酒「久米桜 特別純米 八郷」「野添 純米吟醸」をいただいた。現地に行かなければ巡り会えない酒を飲めるのが旅行の醍醐味だ(あくまでもわたくし個人の嗜好)。2日目は大きなホテルに泊まり、そこでいただいたのは「稲田姫 純米吟醸 生貯蔵」だった。

 この蔵のお酒は以前、「いなたひめ 純米吟醸 ごうりき米」(当連載【2120】)をいただいたことがある。今回のお酒はどうか。

 やや華やかなメロンのような吟醸香。辛みを感じる。余韻も辛みがずっと続く。この辛みは、甘みをやや伴う。酸味は最初のうちはほとんど感じられない。アルコール分が14度と弱めの設定だが、辛みがあるので、力強く感じる。しかし、飲み進めていったら、次第に酸が出てきて、前に出かかり、甘みと辛みとともに味の主要因となる。全体的には、ふくよかだが辛みで締めるお酒、というイメージ。

 ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%、アルコール分14度」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「稲田姫」は、出雲神話に由来する。蔵のホームページは以下のように由来を説明している。

「遥か昔の物語。出雲の国では『ヤマタノオロチ』が暴れ回り、毎回娘を生け贄として捧げていました。ある夏、大和から降り立った『スサノオノミコト』は美しい娘(稲田姫)の両親から助けを請われます。そこで、強いお酒を八つ用意し、ヤマタノオロチがお酒を飲んで酔っぱらっているすきに、次々と頭を切り落として、見事ヤマタノオロチを退治します。その後、スサノオノミコトは稲田姫を伴侶とし、縁結びの太祖神として、その子孫は後々まで栄えました」

 ラベルの絵は、八重垣神社壁画。八重垣神社は島根県松江市にある。スサノオノミコトと稲田姫が祀られていることから、縁結びにご利益があると伝えられている。また、壁画の制作年代については諸説があるとのことだが、国の重要文化財に指定されている。

酒蛙

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