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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3211】不老泉 山廃純米吟醸 無濾過生原酒 備前雄町(ふろうせん)【滋賀県】 

2018.1.2 22:32
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滋賀県高島市 上原酒造
滋賀県高島市 上原酒造

【B居酒屋にて 全5回の②】

 月1回は顔を出すことにしているB居酒屋に、1人で行くつもりだった。わたくしは、基本的に“一人居酒屋派”なのだ。が、酒友TUが、そろそろわたくしと飲みたい、と言っていたのをおもい出し、誘ってみたら、「行く行く」。ということで、二人酒となった。

 まずは「松尾 松牡丹 純米大吟醸」をいただき、次に飲んだのは「不老泉 山廃純米吟醸 無濾過生原酒 備前雄町」だった。「不老泉」は飲む機会がけっこう多い酒で、これまで当連載で8種類を取り上げている。木香のような、独特の香味が強烈なイメージとして残っている。これはどうか。

 酒蛙「古本屋的菌類的複雑香味。旨みと酸が良く出ている。酸はずーっと続く。旨みたっぷりで、とろみ感がある。甘みもけっこう出ており、濃醇でしっかりとした味わいながらも、やわらかなタッチ。『不老泉』のDNAがたっぷり。ふくよかで、中盤から余韻は辛み。最初、酸を強く感じたが、飲み進めていったら、酸はあまり感じられなくなり、酸に代わって辛みを感じるようになる。濃醇だが、キレがとても良い」
 TU「じいちゃん、ばあちゃんの古いタンスの奥のような香味。甘みが来る。酸もあり、苦みも。後味は、辛みと苦み。飲んでいたら、酸が引っ込んで、甘みを伴う辛みになる。最後は甘みが残る」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「甘くふくよかで円みのある旨味。深いコクと長い余韻、そして山廃仕込の濃醇で幅のある複雑な味わいが感じられるお酒。 口に含むと甘味と旨味が広がり、余韻を強く残しながらすっと切れていくのが特長のお酒」

 瓶の裏ラベルの表示は「原料米 滋賀県産 山田錦6%(酒母) 岡山県産 雄町94%(もろみ)、精米歩合55%、アルコール分 17度以上18度未満」。

 ラベルに小さな字で「木槽天秤しぼり」と書かれているが、一般的には分かりにくい。蔵のホームページで説明しているので、以下に転載する。

「木槽天秤しぼり(きぶねてんびんしぼり)の木槽(きぶね)とは、厚さ10センチの桜材で作った、たて3.5メートル、横1メートル、高さ1.2メートルの木舟のようなもので 一方に酒の出る口が付いてあります。その中に もろみの約8リットル入った袋を何百枚も積み重ねて、天秤の原理を応用して搾る、昔ながらの方法で3日間かけてゆっくりと搾ります。機械しぼりの約85%しかしぼれませんが、出てきた酒は雑味のない旨い酒となります。しかし、蔵人は大変な技術と労力が必要な仕事なのです。そのため、今では全国で3社のみになってしまいましたが、上原酒造は旨い酒造りのために今後ともこの方法を続けて参ります。機械搾りは1回の工程は1日で充分、特別な技術もいらず機械が自動的にすべてやってくれる合理的(能率的)な方法ですが、合理的のみに頼っているのも……?」

 また、ラベルにはさりげなく小さな字で、「当社の山廃仕込みは酵母添加を一切致しておりません」と書かれている。蔵に棲んでいる酵母(微生物)をタンクに呼び込んで、糖分をアルコールに変える仕事をさせているのだ。

 酒名「不老泉」の由来についてコトバンクは以下のように説明している。「酒名は、初代当主が酒造りのための井戸を掘った際、地蔵尊が現れるとともに清水が湧き出たことを喜び『不老の泉』と名付けたという言い伝えに由来」

酒蛙

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