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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3209】田酒 特別純米 生(でんしゅ)【青森県】 

2017.12.31 17:41
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青森県青森市 西田酒造店
青森県青森市 西田酒造店

【Z料理店にて 全3回の③完】

 夕方、ふらりと近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないだろう酒を用意してくれるから、月に1回は訪れ、その厚意に報いなければならない。店主としても、わたくしに餌を与え、定期的に訪れるように、との深慮遠謀。それが見え見えなのが楽しい。

 今回、わたくしが飲んだことがない酒は3種類あった。冷蔵庫を背にしてカウンターに座り、それらを飲む。「醸侍 純米大吟醸 BLACK George」「風香 しぼりたて 生原酒」と飲み進め、3番目にいただいたのは「田酒 特別純米 生」だった。

「田酒」のスタンダード「田酒 特別純米」の生酒バージョンか。初めて見た。ではいただいてみる。

 フレッシュ感にあふれている。舌先に、極小微発泡のピリピリ感がある。バナナ的ともセメダイン(ベンゼン環芳香族系の芳香)的ともいえる香りがある。やわらかふくよかタッチで、甘み、旨みがあり、酸が立つ。味がやわらかくふくらみ、軽快感もある。スタンダードの「田酒 特別純米」(火入れ)の落ち着き感・コク感とは全く違う。それでいて、田酒独特の香味のDNAがある。

「田酒」のスタンダード酒は「田酒 特別純米」で、それが「田酒」の顔だ。独特の濃厚な旨みが持ち味だ。フルーティーでもなく香りも抑えており、地味な味わいだが、落ち着きのある深い旨みがファンの心を惹きつけている。これに対し、生バージョンはこれら田酒DNAは兼ね備えているが、フルーティーで、やわらかく、あっさり軽快感がある。火入れと生とでは、こうも違うのか、と驚かされた。使用米、酵母も同じなのか、興味があるところだが、ラベルやホームページからは知ることができない。

 瓶のラベルの表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「田酒」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「『田』はもちろん、酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、名前の通り、日本の田以外の生産物である醸造用アルコール、醸造用糖類は一切使用していないことを力強く主張した、米の旨みが生きる旨口の純米酒です。『日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい』という一念で、昭和45年に昔ながらの完全な手造りによる純米酒の醸造に着手。その後、商品化までに3ヶ年を費やし、発売は昭和49年10月1日でした」

酒蛙

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