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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3208】風香 しぼりたて 生原酒(ふうか)【奈良県】

2017.12.30 22:57
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奈良県葛城市 梅乃宿酒造
奈良県葛城市 梅乃宿酒造

【Z料理店にて 全3回の②】

 夕方、ふらりと近所のZ料理店へ。ここの店主は、わたくしが飲んだことがないだろう酒を用意してくれるから、月に1回は訪れ、その厚意に報いなければならない。店主としても、わたくしに餌を与え、定期的に訪れるように、との深慮遠謀。それが見え見えなのが楽しい。

 今回、わたくしが飲んだことがない酒は3種類あった。冷蔵庫を背にしてカウンターに座り、それらを飲む。冷蔵庫からまず取り出したのは「醸侍 純米大吟醸 BLACK George」、続いて「風香 しぼりたて 生原酒」を選んだ。

「風香」は梅乃宿酒造の新しい銘柄で、これまで「風香 純米」(当連載【1304】)、「風香 純米吟醸」(当連載【1305】)、「風香 純米大吟醸」(当連載【1306】)、「風香 純米大吟醸 袋吊り生原酒」(当連載【1505】)をいただいたことがある。いずれも、Y居酒屋で、だった。甘みと酸が特長の酒、という好印象を持っている。これはどうか。

 甘旨酸っぱい。バナナ的あるいはセメダイン的芳香(ベンゼン環芳香族系の芳香)が、やや華やかで、鋭角的な飲み口。チャーミングな甘旨酸っぱさが印象的だ。重からず、軽からず、やや力強い。余韻は辛み。なかなかにおいしいお酒だった。

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「ほんのり甘くフルーティーで清々しい香りと爽快な旨さとみずみずしさ。搾りたての新酒をそのままビン詰めした生原酒です。生まれたてのお酒のフレッシュな味と香りがダイレクトに伝わってくるお酒です」

 瓶のラベルの表示は「精米歩合70%、原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)」にとどまり、特定名称酒の区分と使用米の品種名を非開示にしているのが残念。原料構成からすると、純米系だとおもうが、なぜ区分を明らかにしていないのだろうか。また、蔵のホームページは、この酒の原料米は「アケボノ」と開示している。

「アケボノ」は1939年、農林水産省東海近畿農業試験場/栽培部稲育種研究室が母「西海15号」と父「朝日」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1953年に命名された食用米。半世紀以上にわたって栽培されている、根強い人気のコメ。現在はほとんどが岡山県で栽培されている。

 酒名「風香」の由来として、ラベルに以下のように書かれている。「山風香(さんぷうか)  神々しい葛城山の麓にいだかれて生まれた酒。いにしえから鎮座する山から吹く新しい風の香り」

 また、この蔵の主銘柄および蔵名の「梅乃宿」の由来について、コトバンクは、以下のように説明している。「酒名は、蔵の庭にある梅の古木にうぐいすが飛来し、風雅なさえずりを楽しませてくれることにちなみ命名」

酒蛙

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