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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3206】やまとしずく 純米吟醸 ひやおろし 生詰【秋田県】 

2017.12.30 0:07
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秋田県大仙市 秋田清酒
秋田県大仙市 秋田清酒

【H居酒屋にて 全2回の②完】

 なじみのH居酒屋の店主から連絡が入った。「新しい酒が入ったので、テイスティングに来てください」。わたくしは、H居酒屋の酒メニューをつくってあげている。普通の酒メニューは酒名と値段の羅列だけ。これだとお客さまはどんな酒なのか分からない。そこで、味の「1行解説」を付したメニューをつくってあげている。お客さまからは「酒の味の見当がつく」と好評だという。

 新しい酒は「田酒」と「やまとしずく」。まず「田酒 純米吟醸 古城乃錦」をいただき、次に「やまとしずく 純米吟醸 ひやおろし 生詰」を飲んだ。「やまとしずく」は飲む機会が多い酒で、これまで当連載で8種類を取り上げている。さて、この酒はどうか。

 メロンのような甘い上立ち香。含むと、とろみがあり、やわらか、ふくよか、マイルド、非常に甘い。砂糖をおもわせるような甘みだ。酸はあまり出てこない。余韻は軽い苦み。甘美な果実香が広がり、フルーティーな味わい。甘くて、とろみがあるが、キレが良い。これで酸がよく出ていれば、トレンドの甘旨酸っぱい酒になるのだろうが、酸が苦手な人もまた多いため、酸がすくなくても、これはこれでいいのだろう。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「今年の春に上槽した純米吟醸を火入後、貯蔵熟成しました。春から夏の期間、蔵内でゆったりとした貯蔵を経て香味が程よく熟成し、あざやかに調和した旨味が醸し出されています」

 また、蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「秋田酒こまちとAKITA雪国酵母という秋田オリジナル素材を使い、春から夏にかけて貯蔵熟成させた数量限定のひやおろしです。長期低温醗酵により程よく熟成した純米吟醸酒を生詰にて出荷いたします。味の乗ったバランスの良い香味と、秋田酒こまちならではの爽やかな味わいをお楽しみ下さい」

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページは「原料米 酒こまち」と開示している。「秋田酒こまち」は秋田県農業試験場が1992年、母「秋系酒251」(その母は「五百万石」)と父「秋系酒306」(その父は「華吹雪」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に品種登録された酒造好適米だ。

 驚いたのは、裏ラベルの味の目安のチャートを見たら、「辛口、淡麗」となっているではないか。どう考えても辛口酒ではないとおもう。わたくしの舌では、絵に描いたような甘口酒だ。また、淡麗ではないとおもう。ふくよかで味の膨らみがありボリューム感もある。わたくしなら、この酒の味の目安を「芳醇甘口」と言いたい。

 酒名「やまとしずく」の由来などについて、蔵のホームページは以下のように説明している。

「『やまとしずく』は1994年に秋田県内の有志酒販店様と当社で立ち上げたブランドです。『ヤマト』とは創業家である伊藤家の屋号で、創業当時『ヤマト酒造店』と名乗っていたことに由来します。代々使用されていた酒造りの道具や、樽、仕事着の半纏などに屋号が刻印されています。今から約150年前の創業者の精神と創業時代の酒造りを受け継ぎ、米も水も特定地域のものだけを使用し、地域性と個性のはっきりした美味しい酒を造ることがやまとしずくのコンセプトです」

酒蛙

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