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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3205】田酒 純米吟醸 古城乃錦(でんしゅ)【青森県】

2017.12.29 18:20
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青森県青森市 西田酒造店
青森県青森市 西田酒造店

【H居酒屋にて 全2回の①】

 なじみのH居酒屋の店主から連絡が入った。「新しい酒が入ったので、テイスティングに来てください」。わたくしは、H居酒屋の酒メニューをつくってあげている。普通の酒メニューは酒名と値段の羅列だけ。これだとお客さまはどんな酒なのか分からない。そこで、味の「1行解説」を付したメニューをつくってあげている。お客さまからは「酒の味の見当がつく」と好評だという。

 新しい酒は「田酒」と「やまとしずく」。まず「田酒 純米吟醸 古城乃錦」からいただく。以前飲んだことがある「田酒 古城乃錦 純米大吟醸」(当連載【363】)の純米吟醸バージョンか? さて、いただいてみる。

 酒蛙「旨みと酸が出ている。フルーティー&ジューシー」
 店主「けっこう旨い」
 酒蛙「これ、旨いよ。やわらかなタッチで、さわやか感がある。旨みに甘みが伴う。甘みがジューシー。フルーツジュースを飲んでいるような感じだ」
 店主「味がしっかりしていて旨い。キレが良い」
 酒蛙「そうそう、キレが良い」
 店主「うん、これは美味しい」
 酒蛙「甘旨酸っぱくて、実にジューシー。余韻は軽い苦み。『田酒』でこのようなタイプはこれまで無いのではないだろうか?」
 店主「俺、『田酒』はよく分からない・・・」
 酒蛙「レギュラーの『田酒 特別純米』に比べ、飲み口はかなり軽い。『田酒』のラインナップの中で、一番フルーティーかも」

「田酒」のレギュラー酒は「田酒 特別純米」で、これが「田酒」の顔だ。独特の濃厚な旨みが持ち味だ。フルーティーでもなく香りも抑えており、地味な味わいだが、落ち着きのある深い旨みがファンの心を惹きつけている。「田酒」のラインナップも多かれ少なかれ、「田酒」のDNAが息づいている。しかし今回の酒は、このような「田酒」のDNAがあまり感じられず、軽くてフルーティー&ジューシー。これまでの路線とは全く違っていた。大きな驚きだった。

 瓶のラベルの表示は「青森県産酒造好適米 古城乃錦100%使用、精米歩合50%」。

「古城錦」は、青森県の最初の酒造好適米である。蔵のホームページは以前、「古城錦」について以下のように紹介していた(蔵のホームページはリニューアルされ、今はそのページは見当たらない)。

「昭和43年に青森県農業試験場が、新潟から取り寄せた酒造好適米『五百万石』と青森県産米『青系50号』を人工交配させて開発・育成した酒造好適米品種です。後に『古城錦』と命名された本品種は、青森県産初の酒造好適米奨励品種に推奨され、その評価は『五百万石』に勝るとも劣らぬものであると言われましたが、実状はほとんど酒造米として使用されることなく、採用年次は昭和55年までとわずか12年という短いものでした。弊社では、今では“幻の米”とまで言われるようになった本品種『古城錦』の種籾をやっとの思いで探し出し、特定の農家に栽培を依頼することで復活させ、平成3年の造りから仕込みを開始して『田酒 古城乃錦』として地元向けに発売しています」

 酒名「田酒」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「『田』はもちろん、酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、名前の通り、日本の田以外の生産物である醸造用アルコール、醸造用糖類は一切使用していないことを力強く主張した、米の旨みが生きる旨口の純米酒です。『日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい』という一念で、昭和45年に昔ながらの完全な手造りによる純米酒の醸造に着手。その後、商品化までに3ヶ年を費やし、発売は昭和49年10月1日でした」

酒蛙

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