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日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3204】小笹屋竹鶴 生酛 純米大吟醸 原酒 無濾過 木桶仕込(おざさやたけつる)【広島県】

2017.12.28 23:37
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広島県竹原市 竹鶴酒造
広島県竹原市 竹鶴酒造

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、なぜかわたくし係になっている仲居さんが、高級そうな箱に入った酒を抱えてきた。「小笹屋竹鶴 生酛 純米大吟醸 原酒 無濾過 木桶仕込」。生酛造りと熟成のイメージが強い「小笹屋竹鶴」である。好きな人は超大好き、その一方で苦手な人もいる、好き嫌いがはっきりしている銘柄だ。わたくしは好きだ。

 今回の酒は「小笹屋竹鶴 生酛純米原酒 無濾過 木桶仕込」(当連載【1323】)の純米大吟醸バージョンだ。さて、いただいてみる。

 グラスに注ぐと琥珀色の酒。予想通り、上立ち香は熟成香。含むと、ウイスキーをおもわせる、スモーキーな強い熟成香。そして酸っぱい。かなり酸っぱい。非常に酸が立っている。酸に複雑な旨みが伴うが、酸の方がかなり勝る。非常にインパクトのある酸だ。生酛なので、乳酸菌由来の酸か。

 かなりアルコール感が強いなあ、とおもい、瓶のラベルを見たらアルコール分が20度。びっくりした。清酒のアルコール分のほとんどマックスの数値だ。

 ウイスキーの水割りに酸が入ったようなイメージだが、無論、ウイスキーの水割りのように薄くはない。清酒的には非常に力強い飲み口。しかし、酸がきれいで強いだめ、どことなく軽快感さっぱり感もある。余韻は酸と辛みで、キレが非常に良い。ざっくり言うと、清酒を飲んでいるというより、酸っぱいウイスキーを飲んでいるような印象だった。

 肩ラベルには「2015(平成27)酒造年度醸造  2015年から2016年にかけての冬に仕込みました」と書かれている。裏ラベルのタイムスタンプは「製造年月2016.3」。醸造してほどなく瓶詰めし、そのまま1年ほど瓶貯蔵した酒だ。しかし、これくらいの短期間で、これほど強い熟成香が出るものなのか。びっくりしてしまう。これも技術なんだろうな。

 瓶の裏ラベルの表示は「原料米 八反(広島県産)100%、精米歩合40%、使用酵母 無添加、アルコール分20度」。酵母無添加とはすごい。酵母糖分をアルコールに換える役目を担う。普通は市販の酵母を使うが、この場合は、蔵に棲みついている微生物、すなわち“家付き酵母”を使っているのだ。これで大吟醸をつくるとは、仰天ものだ。

 広島県福山市の「福田商店が運営する広島の日本酒を専門通販 広島SAKE倶楽部です」のホームページは「八反」について分かりやすく説明をしているので、以下の転載する。

「『八反』が生まれたのは明治時代。民間の育成家だった、大多和柳祐氏が最初に手がけて、明治8年に育成したとされています。それから『八反』は研究を重ねて年を経るごとに品種改良も成された。大正10年に『八反10号』、昭和35年には『八反35号』が育成された。そして昭和40年には『八反40号』が誕生。それから19年経って、全国に名を馳せることになる『八反錦」』が、新しい品種として登場したのです」

 ウィキペディアによると「『八反』は姉妹種が多いが単に『八反』といったときには『八反35』をさす」とのこと。したがって、今回の「小笹屋竹鶴」の「八反」は、「八反35号」をさすものとみられる。

酒蛙

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