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文化

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ニッポンのGOHAN

全国の新聞社スタッフの食べ歩きブログ。グルメ情報誌に載っていない隠れた郷土料理や意外な日常食、おもしろい食べ方などが満載!

浪速っ子はたこ焼きでガマンを学ぶ

2007.7.16 11:30
焼きたてをそのままほおばるべし
焼きたてをそのままほおばるべし

 たこ焼きは食べるもだけのものと思っていたら大間違いである。たこ焼きとは、作るものであり、作るところを見守るものであり、匂いに促されて「もうできた?」と尋ね、「まだダメ」と叱られることで子供が忍耐力を身につけるための大切な道具なのだ。

 オカン(お母さん)が焼いているたこ焼きは、途中で奪い取って口に放り込んでもかまわないだろう。だが、実演販売しているお店の場合、そうはいかない。たこ焼き屋のオヤジは、できれば無口なおっちゃんがいい。無骨ながら、キリ(千枚通しのような道具)を器用に操って一つひとつのたこ焼きを、丁寧にひっくり返しながら、丸く、こんがりと仕上げていく。おっちゃんは、子供たちから

「まだ?」
とせっつかれても、

「触ったらアカン!」

と叱り飛ばす貫禄が必要だ。子供たちはひたすらガマンしながら待つ。こうした光景に、ボクは大阪に生まれ育った子供の原風景を見る。

 ボクが幼いころからよく食べてきたたこ焼き屋さんが、大阪・天満にある。地味できらびやかな装飾は何ひとつない平凡な構えの店だが、じつは伝説的な老舗であったことを最近知った。“タコヤキスト”を名乗る生活文化研究家の熊谷真菜さんもオリガミを付けたその店を訪れ、1人前(8個入り)プラス4個を注文した。持ち帰り客のほうが多いが、いらち(せっかち)な大阪人は店内でハフハフいいながらすぐ食べる。たこ焼きとは本来そういう食べ物なのだ。

 待つこと5分(これが30分にも感じられる)。作りたてのたこ焼きが小皿で運ばれてくる。香りよし。質感よし。

うまいたこ焼きにソースや青のりはいらない。
さしあたり3分の1ほどを歯で食いちぎる。カリっと香ばしい外側と対照的に、手元に残った3分の2のほうには、しっとりした空洞ができている。湯気の立ち上る内部を見ると、赤くなったたこの足や紅生姜が見え隠れしている。それを確認しながら、味と香りを味わう。目を閉じると、幼い日の思い出がありありとよみがえる。

 たこ焼きは、韓国の家庭でつくるキムチと同じく、家によって味が違う。子供時分、友だちの家でご馳走になったたこ焼きは、それぞれ微妙に違っていた。タコがないときはコンニャクを入れたり、ちくわを入れたりという例も。

 大阪人の血液には、たこ焼きとお好み焼きのコナが流れていると言われる。娘を持つ親は、嫁入りの際にたこ焼き器を持たせるという都市伝説もある。大阪人にとって、たこ焼きはお好み焼きと並んで、GOHANの中心概念なのです・・・・・なんてことをグダグダ書いても、大阪の独りよがりになってしまう。あんまり深く考えずに、とりあえず、お一つ、おあがりやす。おいしぅおまっせ!

■関連リンク
日本コナモン協会 http://konamon.com/

たこ焼き研究家・熊谷真菜のページ http://www.kumagaimana.jp/

 

 

コテコテ@OSAKA>
住所  :大阪市北区浪花町4-21
電話番号:06-6373-2929

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