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ニッポンのGOHAN

全国の新聞社スタッフの食べ歩きブログ。グルメ情報誌に載っていない隠れた郷土料理や意外な日常食、おもしろい食べ方などが満載!

特産の味、ヒロメたい

2007.10.11 10:00 共同通信
ひとはめ寿司に刺し身や煮物を加えた「ひとはめ定食」
ひとはめ寿司に刺し身や煮物を加えた「ひとはめ定食」

 今回は紀州から、「ヒロメ」という海藻を使った料理を紹介したい。ヒロメは、ワカメの仲間で「ひとはめ」とも呼ばれている。その姿は、1枚の葉(?)の長さが30~60センチもあり、まるで大きなうちわみたい。生育条件が限られているらしく、和歌山県内では、本州最南端の地・串本町の沿岸や、田辺市の田辺湾ぐらいでしか採れない。食感を言葉で表すと「ぬるぬる、シコシコ」。収穫時期は1月下旬から3月にかけて。収穫量が少ないのでほとんどが地元で消費されてしまい、産地以外で食する機会はめったにない食材である。

 このヒロメを1年中提供しているのが、田辺市内のすし店「宝来寿司」。こちらの「ひとはめ定食」をいただいた。押しずしをヒロメで巻いた「ひとはめ寿司」に茶わん蒸し、野菜の煮物、サラダ、ヒロメの吸い物が付いて1260円。今回はこれにちょっとぜいたくをして、捕れたてのカツオの刺し身(315円)を加えた。

 すしの具は、脂のたっぷり乗ったサバを酢でしめたシメサバ。すし飯には、自家製の梅酢で味付けした赤ジソがまぜ込んである。ひとはめ寿司に使うヒロメは、一度塩漬けしてあるのでぬめりはなく、あっさりとした味わい。さわやかな酢の香りと、控えめながら存在感のあるサバが食欲をそそる。

 ヒロメの食感を存分に味わいたいのなら、しゃぶしゃぶがお薦めだ。皿に盛られた生のヒロメは、ワカメやコンブのように茶褐色だが、これを割りばしでつまんでさっと鍋に通すと、一瞬で鮮やかな緑色に変わる。すかさずポン酢で食べた時の「ぬるぬる、シコシコ感」はたまりません。もう「肉も魚もいらない」という感じである。一人鍋が800円でいただける。

 ヒロメにこだわる同店には定食以外にも、単品の「ひとはめ寿司」(525円)、太巻き風の豪華な「ひろめ寿司」、梅肉とエビを組み合わせた「梅ひろめ寿司」(いずれも630円)があり、持ち帰りもできる。

 ところでこの数年、ヒロメは不漁が続いている。田辺湾の天然ヒロメは最盛期には年間30トンもの収穫があったのに、この2、3年はわずか1~2トン。湾内の漁協では養殖にも取り組んでいるが、冬場の水温が下がらなくなっていることで生長が遅れたり、魚類による食害が増えたりすることが原因という。こんな所にも、地球温暖化の影響が出ているのだろうか。

 

 

マンボウ@紀州>
住所  :和歌山県田辺市湊1126
電話番号:0739-22-0834

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