神出鬼没、紫ずきん参上!


「紫頭巾」と聞いて、かつてのTV時代劇「江戸を斬る」を思い出す方は時代劇好きだろう。水戸黄門、大岡越前と順番に放送していたシリーズの一つである。歌手の西郷輝彦と女優の松坂慶子が主演。若かりしころの二人が遠山金四郎と雪姫を演じる。事件が展開する山場で紫の頭巾に白の着流し姿の松坂慶子がさっそうと登場、悪人たちを峰打ちでたたきのめす。最後は北町奉行の遠山金四郎が事件を引き取って落着させるパターンのストーリーだったような記憶がある。金四郎のよき協力者となる謎の剣士に扮した松坂慶子は美しくて、かっこ良かった。かれこれ30年近く前の番組。同じ枠の「水戸黄門」がまだ続いているからご老公はたいへんな長寿だ。
話が「GOHAN」からそれたが、実は京都に出張したとき「紫ずきん」と出会った。場所は京都祇園の花見小路通り。両側に茶屋や料亭が軒を連ねている。ネオンの原色に慣れた目には、黄色みを帯びた白熱灯の明かりがともる夕暮れどきが新鮮に映る。いかにも古都の花街といった祇園の風情が感じられる。老舗の「一力」を通り過ぎた少し先の路地にある京町家を改造したというおばんざいの店に案内してもらった。メニューを見ながら京都の知人にたずねた。
「紫ずきんというのはなんですか?」
「京都の枝豆や」
「えっ・・・」
冒頭の「紫頭巾」がイメージにあるから予想外の答え。こちらは「頭巾」がひらがな。しかも食べられる京野菜だった。大粒でやや紫色がかった頭巾(薄皮)をかぶっている。丹波の黒大豆から生まれた秋の枝豆だという。夏に食べる一般の枝豆より甘みがあり、伏見の酒とともに味わった。おばんざいもいい味だった。
いいなぁ、京都。江戸より古い都だからすべてにおいて品の良さを感じる。
翌日、京都駅の新幹線構内の売店で「紫ずきん」を見つけた。一袋500円。京都のおみやげにした。それから一週間後、横浜の自宅近くのスーパーで再び「紫ずきん」と出会った。まさに神出鬼没だが、同じ商品が800円弱。さらにパワーアップしていた。
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