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ニッポンのGOHAN

全国の新聞社スタッフの食べ歩きブログ。グルメ情報誌に載っていない隠れた郷土料理や意外な日常食、おもしろい食べ方などが満載!

サンマ鮨は、脂が落ちた冬こそ

2007.11.12 7:30 共同通信
日常食です、サンマずし。(右手前はメハリずし)
日常食です、サンマずし。(右手前はメハリずし)

  熊野を旅した。「ニッポンの GOHAN 」の管理人が「サンマずし」を食べて来いという。実際、魚はあんまり好きでない。特に青い魚は嫌いな方。三重県に住んでいた時分、何回か「サンマずし」は食べたことはあるが、うまいともなんとも思わなかった。鯖ずしは許せるが、なぜサンマまでスシにして食べなければいけないのかという疑問がつきまとった。たぶん、寿司は「ごちそう」という観念があったからなのだと思う。実は日常食と思えば、なんともないのだ。

 サンマは秋刀魚と漢字で書くように秋、脂が乗り切った時期に七輪で焼いて食べるのが一番おいしいのだが、熊野の水域ではサンマは冬が一番おいしいと考えられているそうだ。脂が“落ちた”冬の時期に獲れたサンマを干物にして食べる。まさに日常食としてのサンマの干物がある。ここに熊野の常識がある。

 「サンマずし」はこの脂の落ちたサンマと使う。酢でしめて棒状の酢飯の上にのせる押しずしの変形である。弁当として売っているサンマずしは数百円。まさに庶民の昼飯にぴったり。だからどこの店がうまいだのまずいだのというレベルではまったくない。

 都会人からみれば、たぶん“めずらしい”だけのしろものでしかない。その一点だけでこのニッポンの GOHAN に紹介しようというのだ。

 今回は鬼ケ城(おにがじょう)という観光地の食堂で食べた。他の店では弁当としても売っているから食堂でつくったものではないと思う。汁がついて500円。バスで一緒だった友だちたちはカツ丼だとかラーメンだとかを食べている横で僕は「サンマずし」を食べた。

 うまかったかって? 愛した三重県を一年ぶりに訪ねたから、それだけでうまいものなのだ。

 ちなみに紀の川良子さんという演歌歌手が熊野にいる。最近のヒット作は「サンマたべちゃってごめんね」という。ぜひ聞いてやってほしい。

 

 

紫竹庵人>
住所  :三重県熊野市木本町1835
電話番号:0597-89-4141(鬼ケ城センター)

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