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ニッポンのGOHAN

全国の新聞社スタッフの食べ歩きブログ。グルメ情報誌に載っていない隠れた郷土料理や意外な日常食、おもしろい食べ方などが満載!

「ろくべえ」って………誰?

2007.12.13 10:00 共同通信
対馬の郷土料理「ろくべえ」
対馬の郷土料理「ろくべえ」

 「ろくべえ」と聞くと、昔話に出てくる男性の名前のようだが、これは料理の名前。長崎県は島原半島と対馬に伝わる麺料理のこと。麺はサツマイモを原料としている。しかし同じ長崎県内とはいえ、島原半島と対馬は直線距離で約200キロ、あいだには玄界灘があり、それぞれの歴史も文化もかなり違う。2 つの地域で、どうして同じような料理が同じ名前になっているのかは謎。

 島原のろくべえは「六兵衛」と書くことが多く、かつて深江村(現・南島原市)の名主・六兵衛という人が、飢饉がおきたときに考え出したものというのが通説になっている。つまり保存食。サツマイモの粉とヤマイモをこねて、「六兵衛突き」や「ろくべえぜき」などと呼ばれる、いわゆるところてん突きのような道具で麺にする。それを茹で、だし汁で食べる。gohan_attention.jpg

 対馬のろくべえはひらがなで書くことが多いようで、こちらはサツマイモを加工して得られたでんぷん(「せん」と呼ぶ)を丸めて乾燥させた「せんだんご」が原料。これを島原と同じような道具で麺にして、茹で、だし汁で食べる。ということで、作り方は島原と若干違うと言える。ちなみに「せん」をサツマイモから取り出す方法は、韓国でも見られるそうな。さすが、九州よりも大陸が近い島。

 前置きが長くなったところで、ここでは対馬の「ろくべえ」を紹介しよう。

 ろくべえは郷土料理であるので、町中の飲食店にはたいていあるようだ。今回訪れたのは、対馬市厳原の中心部にある対馬市交流センター内にある店。

 注文して出てきた料理は、一見すると普通のそばのようだ。黒い麺がスープの中で泳ぎ、トッピングにネギとワカメとカマボコ。しかし麺はそばのように長くはなく、せいぜい2~3センチ。もちろんすする必要はない。箸でつかもうとしても、あまり量がとれないのは、感覚でいうとヒジキのようなものか。太さは全然違うけど。スープは、うどんやそばと変わらないようだ。

 麺の表面はつるっとしている。このプルプル感は、麺料理としては珍しいのではないだろうか。この食感と麺の黒さがろくべえの大きな特徴といえよう。

 この対馬のろくべえ、長崎県総合農林試験場が「スポーツや農作業などの事前摂取に適している」とお墨付きを与えた料理。消化しやすく、エネルギー源としての即効性にすぐれているんだとか。離島で厳しい生活をしてきた先人たちの知恵がつまった料理なのだ。

 

 

ばってん@長崎>
住所  :対馬市内各飲食店(ちなみに「対馬市交流センター」は対馬市厳原町今屋敷661)
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