歯間に思い出、サラダパン


「たくあん入りのコッペパン」という意外性が受け、いまや人気は全国級に
なったサラダパン。一度、試食してみるべく、琵琶湖の北にある町へ買いに出か
けてきました。
このパンを販売する「つるや」があるのは滋賀県木之本町。往時の面影をしの
ばせる旧北国街道沿いに面しています。街道自体はひっそりしているのですが、
周囲には住宅街が立ち並んでいるほか、学校も近くにあるため、なじみのお客さ
んがちょこちょ出入りしているのが伺えます。
さてお目当てのパンは、印象的な黄色の包装に包まれて、入り口近くに積まれ
ていました。お店の人に聞くと、卸しているスーパーなどを含めれば、1日
100個前後は販売されているとのこと。
さてパンを買い、封を開けて取りだします。見た目は、いたって普通のコッペ
パン。切込みがあって、それを広げてみると・・・、マヨネーズと和えたたくあ
んが現れました。ちょっとドキドキしながらパンをほおばります。
たくあんならではのシャリシャリした食感ですが、思ったほどその臭さはな
い。たくあんらしき塩っぽさはありますが、むしろ別の具を食べているかのよう
な感覚です。想像していた以上にあっさりしているので、お腹が空いていたせい
もあってか、2つ目もペロリと食べてしまいました。
このパンは
誕生から、およそ50年。それだけの間、販売されてきたということは、決してゲテモノ
ではなく、地元の人たちに愛されてきたことにほかなりません。ちなみに木之本へは
06年10月、JR北陸本線の直流化で、京阪神から直通の新快速も運行されるように
なり、アクセスが便利になりました。
帰りの車中、歯の間に挟まったたくあんのかけらが舌の上に現れ、サラダパン
の思い出もより深いものになりました。春の湖北路散策のお供にいかがですか?
電話番号:0749-82-3162