絶品!ゴハンの鯛茶漬け


湯豆腐、ハモ…。古都を訪れた旅人をもてなす料理は数多い。そんな京料理を満喫した後の選択肢の一つにお勧めしたいのが、鯛匠 HANANAの「鯛茶漬け御膳」。天竜寺、渡月橋、美空ひばり座、そしてCMでもお馴染みの竹林などの名所が点在する嵐山・嵯峨野散策中に気軽に立ち寄れる絶好の場所にある。
ごはん、ゴマダレの上にデーンと盛られた鯛の薄造り、野菜の煮物、漬物ともう一品の鯛料理で構成された御膳は色とりどり。食後には甘味が用意されている。
さっそく、鯛茶漬けを頂こうとすると、そこは京都、ちゃんとお作法があります。
まずは、鯛のお刺身をタレ、刻みネギ、三つ葉、ノリとよく混ぜ合わせる。一口目は薄造りだけを、次にごはんの上にお刺身を載せて一杯目をたいらげる。そして、抜群のタイミングで熱いお茶が運ばれ、茶漬けへと進むという順序。(お店の人は親切で、お作法を間違っても怒るようなことはありません)
愛媛から仕入れている鯛は、身がよく引き締まっていて、お茶漬けにするには惜しい気がしてしまうほど。鯛茶漬けの隠し味に使われることが多いわさび醤油の代わりとなるゴマダレが鯛の旨味を引き出し、食欲をそそる。ゴマダレ全てを茶漬けの中に注ぎ込んでしまったのは私だけではないはずだ。
最も絶品なのが、ゴハン。色つやがテカテカで、ふっくら。
お米は特に有名な銘柄米ではなく近隣から取り寄せるという。ただ、茶漬けにもぴったり合うようにと、お米を水につける時間を含めて研究し尽くし、できるだけ炊きたてを提供するように努力しているという。
鯛がなくても何杯でも食べられそうだ。お代わりすると何とお櫃!で登場し、思わず笑みがこぼれてしまう。隣の家族連れの幼い姉妹も「おいしい、おいしい」とパクパク。見守るお母さんがすごく満足そうだったのが印象的だった。
鯛茶漬けは「京都を代表する料理ではない」とのご批判を受けそうですが、ごはんにかける執念、上品に盛られた料理は、京料理の神髄につながるのでは…(こじつけか?)と思い、紹介させて頂きました。モダンな中にも、和の落ち着いた趣があるお店は「ニッポンのGOHAN」シリーズでは珍しく?恋するお二人にも最適です。
電話番号:075-862-8771
オススメ:鯛茶漬け御膳