皿鉢で始まる、土佐の正月!


ぐうが@高知です。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
本年もニッポンのGOHANを、よろしくお願い致します、です。
さて、あいさつも済んだし、さあごはん、GOHAN!
おめでたい、お正月。土佐では皿鉢(さわち)ですよ、皿鉢料理!
というわけで、私ぐうがは、大晦日に朝から(正確には未明から)
皿鉢料理づくりで大忙し、高知市の「本池澤」弘化台工場に潜入し、
正月に土佐人の胃を満たす皿鉢づくりの様子を激写してきました~。
ところで、土佐と言えば皿鉢料理。特にハレの日の料理は皿鉢と決まって
いたんですが、近年はいわゆる重箱に入ったお節料理に押されつつあって、
一般家庭でもお正月に皿鉢が並ぶことが少なくなってきています。
やっぱり、核家族化が進み、地域コミュニティーもなくなってきてきている
ことが影響しているんでしょうか。
そんな皿鉢を応援したい! そんな気持ちで、取材に行きましたですよ。
朝8時、工場にお邪魔すると、大勢の職人さん、そしてアルバイトさんたちが
既に皿鉢づくりの真っ最中でした。職人さんに聞くと「きのうの夜中から働いてる」とのこと。
事前に睡眠を取り、万全の態勢でこの「戦場」に臨んだそうです。
「きょう一日で、皿鉢、500枚から600枚つくります」と杉本長寿工場長。
皿鉢ができてビニールをかぶせるごとに、その皿鉢の種類を記した紙を貼って、順次出荷していきます。
とにかく時間との闘い。台の上に十数枚、ずらり空の皿鉢を並べて4、5人で料理を組み込んでいきます。
台上を仮に「組み込み班」とすると、奥に寿司をつくる「寿司班」がいて、別の奥にはエビやカニなどの
「調理班」の職人さんがいて、できた料理を素早く台上で組み込んでいく。連携プレーが要です。
撮影する私も、動線の邪魔にならないよう、細心の注意が必要なんです。
「まず、真ん中のラインを決めよう」
皿鉢は向かって奥から、組み込んでいきますが、途中でバランスを失ってはいけないので、
まずセンターラインをビシッと決めるんでしょうね。まずは魚卵、昆布巻、巻き寿司が奥に鎮座。
ハランを挟んでセンターに車エビ煮、その左にサザエ焼、右に鯖姿寿司と海の幸が続きます。
でもって、エビの前に、にぎり寿司が来て、左右にズワイ蟹と鴨ロールと、豪華になってきます。
一番手前は大丸、黒豆、栗きんとんと定番系が並んで終了。正月飾りを間に入れて出来上がりで~す。
う~、タマリマセン。撮影しながら、「このおっきいサザエ、いや鯖寿司から、もとい渋く黒豆でも」と、
つい手が出そうになるのを必死にこらえておりました。
皿鉢の魅力は、豪華・豪快なものから質素なものまで、おいしそうな料理が
一目で見える「全面展開」にありますよね。重箱もいろいろ盛り込んでますが、
オープンエアじゃない。その点、皿鉢は「見える化」してます。隠しごとは一切ありません。
ハレの日。親戚、知人や隣近所の人が三々五々やってきて、皿鉢を囲んでワイワイやります。
「どうぜ、最近、彼女でもできたかよ?」と、おんちゃんに酒をつがれて迫られた若い衆は、
隠しごとができず、「いや~、実は・・」と話が盛り上がるワケです。いいことも悪いことも、
ごっちゃにして、人生の先輩からいろいろ学ぶことができる。それが土佐の「おきゃく」の
醍醐味。その中心に座っているのが皿鉢なわけです。
いろんなものが味わえるのも魅力ですが、皿鉢がある「場」の雰囲気そのものが、
土佐人はこの上なく好きでたまらないのだと思いますね、自分も含めて。
※この皿鉢は正月の注文料理ですが、ふだんは高知市本町の本池澤のお店で
味わえます。本池澤のHPはhttp://www.ikezawa.co.jp/
電話番号:.088-873-3231