メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

ニッポンのGOHAN

全国の新聞社スタッフの食べ歩きブログ。グルメ情報誌に載っていない隠れた郷土料理や意外な日常食、おもしろい食べ方などが満載!

生きのいい白身魚の新名物 仙台づけ丼

2009.8.10 10:00 共同通信
夏らしい青いガラスの器に盛り付けられた鮨一八の仙台づけ丼
夏らしい青いガラスの器に盛り付けられた鮨一八の仙台づけ丼

 大学教授の提案から生まれたのが、今回紹介する「仙台づけ丼」です。仙台寿司業組合の技術部長を務める鮨一八のご主人、小山政義さん(63)に仙台づけ丼誕生と魅力について聞きました。

 全国を歩く東北大大学院工学研究科の堀切川一男教授が大分で食べたアジのづけ丼。それが仙台づけ丼誕生のきっかけでした。「大分のアジのづけ丼は確かにおいしい。でも何かが物足りない」。堀切川教授の頭に浮かんだのは、地元仙台で豊富に取れる白身魚のことでした。堀切川教授は仙台に戻るとすぐさま、仙台駅前の仙台朝市に自ら出かけて白身魚を買い求め、男の料理でづけ丼を作って家族に食べさせたそうです。

 「すごい」と家族に好評だったのに後押しされ、堀切川教授が仙台観光コンベンション協会と仙台市産業振興事業団に相談し、協会と事業団が仙台市寿司業組合に持ちかけて商品化に向けて大きく動き出したのでした。

 昨年秋以降、小山さんと組合青年部が中心になり、仕事が終わった後の時間帯に4、5回集まって研究を重ねました。白身魚は仙台市中央卸売市場の業者でつくる仙台おさかな普及協会の協力で調達しました。どんな白身魚を使うか、漬ける際のタレの作り方をどうするか…。深夜11時ごろに始まった研究会は毎回、午前2時ごろまで続きました。

 堀切川教授のコンセプトは「安く、おいしく、ヘルシー」。仙台づけ丼づくりに参加したすし店は、海鮮丼にならないようにすること、ネタの半分以上に白身魚を使うことなどを申し合わせましたが、そのほかに使う材料やタレの味は、すし店ごとの工夫で来店客に出しています。価格も手ごろに設定しました。こうして7月14日に市民200人を招いた試食会が催され、来店者へ向けた提供は7月18日に始まりました。

 小山さんは「9月まではサービス期間。損得抜きで仙台づけ丼を出します。繰り返し仙台づけ丼を食べに来てもらえるようにしたい」と笑顔で話します。

 鮨一八は、器で見せるところから始まります。青い色が入ったガラスの器。夏向けに涼しげな演出です。載っているのは、タイやヒラメの白身魚4種、赤身のマグロ、光り物のサンマ、白い笹かまぼこ、玉子焼き、緑のキュウリに赤いイクラ、ゴボウの漬物。タレはしょうゆ、みりん、酒が基本ですが、各店で配分や隠し味に工夫を凝らします。鮨一八ではタレを3種類用意し、魚の種類によって使い分けています。

 まずは白身魚からいただきます。はしでそっとつまみ、口の中へ。タレは素材の味わいをじゃませず、引き立てています。うーん、新鮮でおいしい。ネタに隠れていたご飯が顔を出しています。酢飯に甘い味付けのカンピョウとノリが交ざっています。この交ざり具合が絶妙で、食が進みます。

 こうして白身魚を食べ終えると、赤身、光り物へと続きます。タレは白身魚と微妙に違いますが、それぞれに素材のよさを引き立てています。タレの作り方が工夫されているほか、タレに漬け込む時間も素材ごとに変えているそうです。丼に並ぶ魚の味わいは小山さんの腕の見せ所です。

 魚の後に控えるかまぼこ、玉子焼きはあっさりしていて、とても食べやすい味です。こちらが濃い味のものでは丼全体のイメージが濃くなりますが、このあっさり具合が、タレに漬けた魚との絶妙のバランスが取れているように感じます。

 そして忘れてならないのがあら汁。丁寧に時間をかけて作ったあら汁だそうで、とても深い、厚みのある味わいでした。お代わりがほしくなるぐらいでした。

 仙台づけ丼を提供しているのは12店舗。日によって仕入れ具合が異なるので、づけ丼を出すのが難しい日もあるそうです。「杜の都の新名物 元祖 仙台づけ丼」と染め抜いた共通の紫色ののぼりが店頭に掲げてあれば仙台づけ丼が食べられます。事前に電話で各店に確かめてもらえれば確実です。

 なお、地域SNSふらっとにも、提供が始まったばかりの仙台づけ丼を食べたリポートのブログが載りました。参考にしてください。↓

http://flat.kahoku.co.jp/u/machikado/2rFLKVTxdilpRq9A5wf3/

 

 

GOHAN@ふらっとA (河北新報社)>
電話番号:仙台寿司業組合 022-265-3814
オススメ:仙台づけ丼

最新記事