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ニッポンのGOHAN

全国の新聞社スタッフの食べ歩きブログ。グルメ情報誌に載っていない隠れた郷土料理や意外な日常食、おもしろい食べ方などが満載!

さわやかな味わい「たじみのブルーベリー大福」 【GOHAN特製原稿】

2010.8.16 13:00 共同通信
夏限定「たじみのブルーベリー大福」
夏限定「たじみのブルーベリー大福」

1000年以上の歴史を誇る美濃焼で知られる岐阜県多治見市。今、日本一暑いまちとして注目を集めている。食ではうなぎが名物だが、ほかにないものか?と探してみた。市街地から車で20分。同市滝呂町にある和菓子店で、真夏を涼しくする和のスイーツが人気を呼んでいるとの情報を得た。大福餅にイチゴならぬブルーベリーが入っているというのだ。「菓子処やまもり」で「たじみのブルーベリー大福」(168円)を味わった。

4代目店主の森淳子さん(56)手作りの自信作「たじみのブルーベリー大福」は、白い餅の中に紫色のあんとブルーベリーが丸ごと何粒も入っている。同市廿原(つづはら)町産のブルーベリーを使い、餅粉や白あん、砂糖など国産の厳選材料で作り上げるという。

大福餅からブルーベリーのいい香り。ひんやり冷たい餅は柔らかい。口の中で、冷えた生のブルーベリーがはじけた。あんの甘みと果実の酸味が溶け合い、ほどよい甘さが染み込んだ餅皮が、口の中で溶けてなくなった。

「これは、うなカッパ(うまかった)!」(うなカッパは多治見名物うなぎと伝説のカッパを合わせたご当地キャラクターの名前)

涼風が体を抜けていくように、さわやかな味わいだ。ブルーベリーは酸味が強いという印象だったが、ここのブルーベリーは甘かった。どうしてなのか聞いてみた。「廿原ええのお観光農園で収穫したブルーベリーは、種類が違うんです」と森さん。廿原町産には複数の種類があるという。いずれにせよ、摘みたてが楽しめるのはうれしい。

創業明治43年。まんじゅうに始まり、カステラ、生菓子、ゼリーなど四季折々の40種類を店頭に並べる。ブルーベリー大福は5年前、身内からの贈り物をヒントに、地元産ブルーベリーで思索を重ねて作り上げ、2007年に発売した。白あんとブルーベリーを混ぜて炊き込み裏ごししたあんに、摘みたての大粒ブルーベリーを3~5粒入れ、餅粉で作った餅で優しく包んで仕上げる。

創業100年の伝統の味。厳選した材料で作り上げるこだわりは、今も昔も変わらないと森さん。

餅は昔から、神仏に供えて五穀豊穣を祈念した後でいただいたという慣わしがある。物があふれ、お金さえ出せば、何でも買える今日。ひんやり冷たい「たじみのブルーベリー大福」を食べながら、多治見市のカッパ伝説に思いをはせ、外の暑さを忘れていた。

400年前、カッパが雨を降らせ飢饉から救われたが、時の流れとともに恩を忘れ、また飢饉に見舞われたという伝説。カッパは神仏ではないが、尽くしてくれた人への感謝を忘れてはいけないと、店内に流れる水の音が耳にささやくように響いていた。

 

 

アマデウス@岐阜 (岐阜新聞)
住所  :岐阜県多治見市滝呂町10-8
電話番号:0572(22)4591
オススメ:たじみのブルーベリー大福
営業時間:9:00-19:00

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