鹿児島直送の黒豚しゃぶしゃぶ 【GOHAN特製原稿】

2011年02月14日
共同通信共同通信
黒豚しゃぶしゃぶ(2人前)
黒豚しゃぶしゃぶ(2人前)

 木が使われた内装にどこか九州っぽさを感じる。ここは薩摩料理の店だ。店主の元気な声に導かれ、掘りごたつ式のテーブルに座った。床暖房という粋な計らいにリラックスしつつ、早速、オーダーした。今夜は「地鶏刺身盛り合わせ」と「黒豚しゃぶしゃぶ」が主役だ。

 生ビールで乾杯しようかというときに「お通し」が来た。口に入れた瞬間、カツオとサバのうま味がやさしく口に広がる煮物だ。「店の質はお通しに出る」。ふと、4年ほど前にアルバイトで働いていた飲食店の料理長から教わった言葉を思い出した。期待が膨らむ。


■地鶏刺身盛り合わせ
■地鶏刺身盛り合わせ

 まずは「地鶏刺身盛り合わせ」。これがすごい。鹿児島県から取り寄せているだけあって、レバー、砂肝、ハツ、もも肉のどれもが新鮮。レバーは癖のあるにおいもなく、ただ、とろけるような「てろっ」とした食感があってうまい。砂肝は澄んだ赤色と「こりっ」とした食感がたまらない。ハツは砂肝よりも肉感があり、歯ごたえがいい。もも肉は軽くあぶられており、その香ばしさとジューシーさがたまらない。レバーはごま油と塩、砂肝はポン酢、ハツともも肉は醤油という選択で食べることをおすすめしたい。


■鍋のだしに通したばかりの黒豚肉
■鍋のだしに通したばかりの黒豚肉

 地鶏に舌鼓を打っていると、ついに「黒豚しゃぶしゃぶ」が登場。つけだれは、カツオとサバから取っただしの中にうま味、あまみ、しょっぱさが絶妙に溶け合い、器の底が透き通って見える。これだけでも酒のあてになるだろう。鍋のお湯の中には昆布とだしパックが入っており、だしの香りが漂い出すころに野菜を入れる。野菜の皿には、小松菜と椎茸、エノキ、長ネギ、油揚げが乗っていて、小松菜の青々とした葉と茎が鮮度の良さを物語っている。

 いよいよ、黒豚の投入。しゃぶしゃぶの肉というと、向こうが透けて見えるような肉を想像するかもしれないが、こちらは肉厚だ。肉厚なせいか、鍋の湯にしゃぶ、しゃぶと2回、くぐらせただけでは熱は通らないようだ。さらに数回繰り返し、澄んだつけだれに肉を沈めて口に運ぶ。


■つけだれと黒豚肉
■つけだれと黒豚肉

 口の中に最初に広がるのは、つけだれのうま味としょっぱさ、肉の質感だ。かんでみると、つけだれの香りは消えず、かめばかむほど、ジューシーな肉のうま味が広がる。つけだれと肉の絡みだけでこんなにおいしさを感じるのか。つい肉だけを食べてしまいそうになる自分を制し、小松菜と油揚げをつけだれに入れてから食べてみる。「小松菜と油揚げは合うなあ」と舌鼓を打っているうちに、肉と野菜のどちらもなくなり、追加注文をしてしまった。追加しても、つけだれの味はあまり変化しない。最初に鍋で取っただしで、ここまでつけだれの味が変わらないのだと感動していたところで、待ってました!締めのうどんとラーメンが来たのである。

 うどんもラーメンも固めに下ゆでしてあり、鍋に少し入れるだけで食べられるようになっている。この麺がまた、どちらもコシがあって非常においしい。ラーメンは、この店ならではのこだわりがあり、厚めの「平うち麺」を使っている。細麺だと、すぐに伸びてしまうらしい。うどんもラーメンも同じつけだれを使っているにもかかわらず、麺の風味が違うからか、味わいが異なる。結局、麺のお代わりをもらい、つけだれも全て飲み干してしまった。満腹といった感じだが、まだまだ食べたいと思ってしまうのである。

 

 

竹田直人@東京 (47NEWS)