厚めのタンはジューシーでさっくり 「締め」は本場盛岡に負けぬ冷麺で イケメン店長が腕ふるう【GOHAN特製原稿】


焼き肉屋で「タン」を食べた時、肉汁を味わったことがある人はどれくらいいるだろう。「焼き肉頻度」が高い自分にとって、この経験は初めてだった。
厚めにカットされたタンはジューシーで、さっくり前歯でかみ切れる。JR代々木駅に近い「ホルモン焼き ぶたさま」での出来事。
お好み焼きのメニューと見間違いそうな店名は「一度食べたらきっとあなたも(豚を)あがめたくなる」という趣旨で名付けられたという豚ホルモンがメーンのお店だ。
店長の隈元光宏さん(27)は、「その日の仕入れ状態で隠し包丁を入れたり、カットの大きさを工夫します」と言う。

くだんのタンは凍らせないのがポイントで、確かによく見る薄いスライス状態ではなかった。
厚めのタンとハツ、カシラの盛り合わせを注文すると、店長自ら焼き方を伝授してくれた。辛みそベースのタレで食べると、臭みや苦味はまったく感じない。むしろ、弾力性やコリコリした歯応えが絶妙だ。
焼き肉用に豚トロ、豚カルビ、豚肩ロースを盛り合わせた「ぶたさま3点メニュー」(1480円)もボリュームの割にリーズナブルで人気。

はじめは「あのホルモン焼きでしょう?食べられるかな」と不安だったが、「ホルモン」の語源ともされる「放るもん」はどこもない、食材のありがたさを再認識した。
「ホルモン焼きのおいしさを多くの人に知ってほしい」と話すのは自称「やり手営業部長」の小野智史さん(29)。実は小野さん、普段は別の仕事をしているが、味にほれ込み宣伝役に就任した。

お肉を堪能した後は「盛岡冷麺」の登場だ。
「盛岡冷麺」の魅力に取りつかれた隈元さんは自分の店で提供したいと、岩手の焼き肉店で1カ月間、修業を積んだ。
「盛岡冷麺」を名乗れるのは公正取引委員会の①岩手県内で製造②小麦粉とでんぷんが原料―などの条件を満たす必要があり、特製レシピをもとに岩手で製麺しているという。
時折、岩手出身のお客に「『本場に負けていない』と言われるとうれしい」と隈元さん。東京在住の岩手県出身者、冷麺ファンの皆さん、ぜひ足を運んでみよう。
電話番号:03(6276)3945
オススメ:ホルモン焼き