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ニッポンのGOHAN

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地上で食べる機内食の味 しっかりした味付け 製造の裏側を探訪 【GOHAN特製原稿】

2013.12.16 17:12 共同通信
JALの成田―ホノルル線ビジネスクラスで提供される機内食
JALの成田―ホノルル線ビジネスクラスで提供される機内食

 海外旅行の楽しみの一つは機内でサービスされる食事だろう。それがどこでどう作られているのか。成田空港にほど近い日本航空(JAL)の子会社ジャルロイヤルケータリングを訪ねた。

 まず驚かされるのは工場入場前の衛生管理の厳しさ。問診票を記入させられ、腕時計や指輪などの装飾品を外す。シャワーキャップのような帽子で髪の毛全体を覆い、さらに布製の帽子をかぶる。顔面にはマスク。あごひげがはみ出していたら、隠すように注意された。上半身には青色の上っ張り。裾が二重になっていて、内側はズボンの中に入れる。足首は裾からほこりなどが出ないようにサポーターのようなリング状の布で押さえる。靴にはビニール製のカバーを付けて服装は完了。露出しているのは目と手首から先しかない。

 服装が完了したら消毒の手順を踏まなくてはならない。ほこりやゴミが飛散しないように粘着シートの上で服全体をブラッシング。粘着ローラーテープでさらに清掃。手洗いも重要だ。せっけん液で30秒かけて手首から先を念入りに洗う。指の股、手のしわなどをどうやって洗うかのマニュアルが張ってある。最後にエアシャワーを浴びてようやく工場に入ることができる。

 場内はホットキッチン、コールドキッチン、ミールセット室、積み込み室など業務ごとに分かれていて、それぞれ流れ作業で調理が行われている。見学中はアッパークラスのオードブルに一つ一つウニをのせたり、チーズを切り分ける作業などが行われていた。多くが手作業で、エコノミークラスのホットミール以外のメニューを並べる作業や、各地の各部位に切り分けた牛肉がぎっしり詰まった冷凍庫もあった。


■各種のチーズを切り分ける作業員
■各種のチーズを切り分ける作業員

 温かいメニューはどうして提供できるのか。答えは工場で途中まで調理していることにある。例えばステーキの場合、半焼きの状態にして、急速冷蔵。機内のスチームオーブンで再加熱して完成品となる。細菌の繁殖を抑えつつ、おいしさを追求するところが腕の見せ所だ。盛り付けてから金属探知機に2回通すなど、異物混入にも気を使っている。

 約1時間半の工場見学を終えて、いよいよ機内食の試食。メニューは成田―ホノルル線のビジネスクラスで提供されるもの。前菜がブリのエスカベッシュ、白菜とベーコンのミルフィーユなど4品。カブの冷製スープと手作りロースハムのサラダ。メーンが「国産牛ヒレステーキマスタードソース ジャガ芋のリヨン風と大シイタケのロースト添え」だ。

 前菜の一部は酸味が少し立った感じ。ステーキのソースは重厚に感じる。「機内は気圧が低く乾燥しているので、味覚や嗅覚が鈍ります。それで味付けをはっきりと出すようにしています」と、浜信彦統括料理長。普通に調理したステーキと食べ比べてみたが、機内食の方がむしろソースの味が染みて軟らかで、おいしい。ボリュームのあるジャガ芋、シイタケともども平らげてしまった。

 これまで何気なく食べていた機内食。その裏には人知れずさまざまな工夫と努力が隠れていた。今度飛行機に乗る時には、そんなことに思いをはせるのもいいだろう。

 残念だがジャルロイヤルケータリングでは、一般の見学や試食は受け入れていない。

 

 

中村彰@成田(47NEWS)(47NEWS)
住所  :千葉県成田市三里塚字御料牧場1-720
電話番号:(0476)-32-1311
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