【4917】月の井 純米(つきのい)【茨城県】

2022年09月28日
酒蛙酒蛙
茨城県東茨城郡大洗町 月の井酒造店
茨城県東茨城郡大洗町 月の井酒造店

【B居酒屋にて 全2回の①】

 先だってB居酒屋で10種類のお酒を飲んだ。しかし、飲んだことのないお酒が2種類残ったため数日後、再びB居酒屋を訪問した。

 まずいただいたのは「月の井 純米」だった。月の井酒造のお酒は当連載でこれまで、5種類を取り上げている。

 グラスに注ぐと、酒の色が黄色。熟成酒だ。古酒的な香りが立ちのぼる。含むと、ナッツ、穀類、カラメル、紹興酒香、古酒香などが複雑に混じり合った香りが口の中に広がる。古酒香のするお酒だが、製造年月は2022年4月。新しい。長期熟成させ、ことし4月に瓶詰めした、ということなのだろうか。甘みと旨みがやや少なく、辛みを感じる。酸は出てこない。ひとことで言うならば、熟成辛口酒。余韻も辛み。終始、古酒的香りが広がる。クラシックタイプのライトボディー。

 次に、この酒の燗酒を所望する。推定湯温は約50度。冷酒のときの口当たりは、すっきりさっぱりだったが、熱燗にしたら、すっきりさっぱり度がさらに高くなる。やはり甘旨みはすくなく、辛口。冷酒のときより、さらに辛みが強まる。口当たりにシャープ感があり、ややドライ感も出てくる。ずばり、水の如し、だ。

 蔵のホームページはこの酒を「やさしい麹の香り、芳醇なうま味が特徴です。お燗にするとさらにふくよかな味わいになり、食事に寄り添います。お米の力強さを感じる濃い旨口が特徴です!」と紹介している。わたくしのテイスティング結果とはかなり乖離している。人の味覚は千差万別なので、どちらも正解だとおもう。

 瓶のラベルは、蔵のコンセプトを以下のように説明している。「大洗に、授かる酒。大洗の気候風土の中で、米と水と酵母の力を生かし切る酒造り。その時、その原料でしか造れない酒をお届けします」

 ラベルのスペック表示は「製造年月22.04、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合65%、アルコール分16度」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念。しあし、ホームページでは「使用米 出羽燦々」と開示している。

 使用米の「出羽燦々」は山形県立農業試験場庄内支場が1985年、母「美山錦」と父「華吹雪」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1997年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 酒名「月の井」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。
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「月の井」の酒名の由来は、磯節の中の一節にある 『波の背に乗る秋の月』 という文句のとおり、中秋の名月の光を磯に砕ける波頭に受け、金波、銀波に輝く様が実に見事で、その月景にあやかって名付けたと言われています。(徳川時代の水戸八景の一つにもなっている光景です)
 創業者の坂本彦市が神奈川県の川崎大師に参拝の折、庭園に 弘法大師が飲んでいたという井戸から清冽な水が湧き出ており、「月の井」と称されていたこの井戸の水にあやかって「月の井」と酒名をつけて、飲んでくださる方の健康と厄除けを願ったとも言われています。