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文化

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【4658】梅乃宿 彩 純米 緑ラベル(うめのやど、いろどり)【奈良県】

2021.11.9 12:15
奈良県葛城市 梅乃宿酒造
奈良県葛城市 梅乃宿酒造

【Z料理店にて 全5回の①】

 近所のZ料理店に顔を出す。「うちは居酒屋じゃないんだからね。居酒屋みたいにいっぱいの種類の酒を置いてないんだからね」と言いながらも、予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、月に1回のペースで暖簾をくぐっている。が、長引くコロナ禍で、かつてない苦しい経営を強いられている。しかし、客としてはどうすることもできず、歯がゆいおもいが募るばかり。せめて定期的に顔を出すしか手立てはない。

 今回、冷蔵庫の中から最初に手に取ったのは、「梅乃宿 彩 純米 緑ラベル」だった。梅乃宿酒造のお酒は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、22種類を取り上げている。旨みと酸が立つ、しっかりした味わいの酒という好印象を持っている。今回のお酒は、当連載【4439】で取り上げた「梅乃宿 彩 純米 赤ラベル」と同じシリーズの商品。まずは、いただいてみる。

 酸と旨みがドドーンと口の中に広がる。そしてジューシー。これらが第一印象。舌先に炭酸ガスのピリピリ感がすこしあり、フレッシュ。やわらかな口当たり。余韻は軽い苦み。ファーストアタックは、ドドーンときたが、口が慣れるにつれ、むしろ軽快感が出てくる。ひとことで言うならば、旨酸っぱくて苦みを感じるお酒。わたくしの好きなタイプの一つだ。

 ところで、緑ラベルと赤ラベルはどう違うのだろうか。ともに純米で、ともに精米歩合は70%。蔵のホームページを見ると、緑ラベルについては「ひやおろし。山廃仕込みで丁寧に醸し、ひと夏の間じっくりと、低温の貯蔵庫で熟成させました」。これに対し赤ラベルには特別な表記はない。緑ラベルが「ひやおろし」で、赤ラベルはそうではない、ということだ。

 また、両ラベルのスペックを比較すると、大きな違いは、赤ラベルの酒度が「-3.6」であるのに対し、緑ラベルの酒度は「+2.5」であること。つまり赤ラベルの方が、かなり甘口の数値なのだ。

 瓶の裏ラベルの紹介文も微妙に違う。

 緑ラべルは「食事が彩られるようにという想いをコンセプトにした純米酒。穏やかな香りと落ち着いた酸に旨みが調和。常温、又は燗でお楽しみください」。

 これに対し赤ラベルの紹介文は「食事が彩られるようにという想いをコンセプトにした純米酒。爽やかな香りと共に旨みがあふれるジューシーな仕上がり」

 緑ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分16度、精米歩合70%、製造年月21.9」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 この蔵の主銘柄および蔵名の「梅乃宿」の由来について、「日本の名酒事典」は、以下のように説明している。「明治26年の創業。酒蔵の庭には、樹齢300年を超える古白梅があり、春になるとうぐいすが飛来して、鳴くところからこの名が命名された」

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