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文化

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【4569】神亀 純米 長期熟成 2003BY 真穂人(しんかめ まほと)【埼玉県】

2021.5.13 18:19
埼玉県蓮田市 神亀酒造
埼玉県蓮田市 神亀酒造

【H居酒屋にて 全2回の➁完】

 なじみのH居酒屋の店主からショートメールが入った(彼はガラケーしか持っていないから、連絡方法はもっぱらショートメール)。「『綿屋』と『神亀』が入りました。多分、お飲みになっていないのではないか、と」。おお、それなら行かなければならない。わたくしはこの店に、1行コメント付きの酒メニューを作ってあげている。「日本酒津々浦々」の取材とともに、酒メニューを更新しなければならない。

 まずは「綿屋 純米吟醸 吟のいろは」を飲み、次に「神亀 純米 長期熟成 2003BY 真穂人」をいただく。神亀酒造のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで24種類を取り上げている。さて、このお酒はどうか。まずは冷酒でいただいてみる。


 酒蛙「熟成香たっぷり。紹興酒的熟成酒そのものの味わいだ。香味は香ばしくカラメルのニュアンス」
 店主「熟成香あるね」
 酒蛙「熟成酒の中でも、これは綺麗な熟成酒だ」
 店主「甘みを感じる」
 酒蛙「甘旨みと辛みが出ている。中でも辛みが良く出ている。酸は奥にすこし。余韻は辛み。飲み進め、温度がすこし上がってくると、酸がじわじわ出てくる」

 店主とわたくしは、冷酒で飲みながら「この酒、どう考えても燗酒に向いているよね」と話す。即行動に移す。ちろりで、ぬる燗(40℃)をつける。ぬる燗をいただいてみる。

 酒蛙「香る。熟成香が香る! 旨いっ!」
 店主「おーっ!!!」
 酒蛙「まろやかな旨みが出てくる。酸も出てくる」
 店主「酸は分かる。紹興酒に近い味わい。う~ん、飲みやすい」
 酒蛙「燗酒の方が断然良い。酸・旨・辛と熟成香とのバランスが見事だ」
 店主「『甘』もあるよ」
 酒蛙「こりゃ絶品だ。いかにも上質な熟成酒だ。笑っちゃうほど美味しい。アハハハハ」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「このお酒は、現杜氏 太田茂典が醸す杜氏初年度のお酒です。幾星霜の刻を経て新たな境地に達し、色艶、旨味は最高潮を迎えました。
『真穂人(まほと)の由来』
昔の上総と下総の境に間程(まほど)という小字(こあざ)があります。1993年より、私達はこの田を掘り起こし五百万石の稲を植えました。真穂人は山水の水に育まれた稲が育つこの小さな田園と、自然を身体に刻み、風景に込められた歴史と文化を感じながら稲を育てた百姓にちなんで名付けられたお酒です」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合60%、アルコール分18.5度、製造年月2020.9」。肩ラベルには「2003BY」と目立つように書かれている。ざっと18年前に醸されたお酒だったのだ。う~む、あのころわたくしは若かった。なんだか、感慨深いものがある。

 酒名および蔵名「神亀」の由来について「日本の名酒事典」は「蔵の裏手の天神池に棲むという、神の使いの亀にちなむ」と説明している。

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