メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

【4568】綿屋 純米吟醸 吟のいろは(わたや)【宮城県】

2021.5.12 21:24
宮城県栗原市 金の井酒造
宮城県栗原市 金の井酒造

【H居酒屋にて 全2回の①】

 なじみのH居酒屋の店主からショートメールが入った(彼はガラケーしか持っていないから、連絡方法はもっぱらショートメール)。「『綿屋』と『神亀』が入りました。多分、お飲みになっていないのではないか、と」。おお、それなら行かなければならない。わたくしはこの店に、1行コメント付きの酒メニューを作ってあげている。「日本酒津々浦々」の取材とともに、酒メニューを更新しなければならない。

 まずは「綿屋」から。金の井酒造のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、24種類を取り上げている。バランスが良く、品があり、食中酒に適している、安定感抜群のお酒、というイメージを強く持っている。“外れ”の無い蔵だ。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 酒蛙「上立ち香は、いわゆる日本酒。含み香は、イチゴをほのかに感じる」
 店主「酸と苦みが一気に来た。たしかにイチゴ。なるほど、甘酸っぱい感じ」
 酒蛙「苦みと旨みをしっかり感じ、キレが非常に良い。やわらかな口当たり。上品できれいな、そして落ち着き感のある酒質だ。旨い、旨い。大人の味わいだ。飲み進めていったら、じわじわ酸と辛みが出てきた。余韻は辛みと苦み。中でも苦みが次第に強くなっていく。『綿屋』はいずれもそうだが、この酒も食中酒に適している」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「日本酒度±0、酸度1.7、使用酵母 宮城酵母、杜氏氏名 鎌田修司(南部杜氏)、3200、R2BY、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 宮城県産 吟のいろは100%、精米歩合50%、アルコール分16度、製造年月21.3月」。

 使用米の「吟のいろは」は、宮城県古川農業試験場が2007年、母「東北189号(げんきまる)」と父「出羽の里(山形酒86号)を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。2019年に命名された、非常に新しい酒造好適米だ。宮城県みやぎ米推進課によると、このコメで醸したお酒は「味わいにふくらみのある柔らかな酒質となります」とのこと。

 ネット情報によると、「吟のいろは」の名は「吟味」や「吟醸」から一文字を取り、「基本」という意味の「いろは」と併せ、仙台藩祖伊達政宗公の長女「五郎八(いろは)姫」も掛けている、という。

 酒名「綿屋」の由来について、コトバンクは「酒名は、創業時の屋号『綿屋酒造』に由来」と説明している。

関連記事 一覧へ