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文化

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【4552】福小町 純米吟醸 美郷錦55 生酒(ふくこまち)【秋田県】

2021.4.25 18:13
秋田県湯沢市 木村酒造
秋田県湯沢市 木村酒造

【Z料理店にて 全6回の①】

 近所のZ料理店に顔を出す。「うちは居酒屋じゃないんだからね。居酒屋みたいにいっぱいの種類の酒を置いてないんだからね」と言いながらも、予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、2カ月に1回のペースで暖簾をくぐっている。

 今回、トップバッターにいただいたのは、「福小町 純米吟醸 美郷錦55 生酒」だった。木村酒造のお酒は当連載でこれまで、「福小町」「角右衛門」など11種類を取り上げている。香りやや華やかな、しっかりとした味わいのお酒、という漠然とした印象を持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

「おおおっ!」。おもわず声に出た。甘旨みと酸が同時に来る。余韻は軽い苦み。これはジューシー! このジューシーさに驚き、声に出したのだった。含み香は、メロンをおもわせるふくよかな吟醸香がやや華やか。飲んでいるうちに次第に辛みが出てくるようになる。そして、甘・旨・辛が中心の味わいになる。さらに飲んでいると、甘みが増し、厚みが増し、しっかりとした味わいになる。キレは終始、良い。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「秋田生まれの酒造好適米『美郷錦』と『AKITA雪国酵母』で仕込んだ秋田プレミアムな純米吟醸酒。心地よい豊かな香りとジューシーな米の旨みが口中に広がる限定生酒です」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 秋田県産美郷錦100%、使用酵母 AKITA雪国酵母(UT-1)、アルコール分16.5度、精米歩合55%、日本酒度±0、酸度1.4、製造年月2021.3」。

 使用米「美郷錦」(みさとにしき)は秋田県農業試験場が1987年、母「山田錦」と父「美山錦」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1999年に命名、2002年に種苗法登録された酒造好適米。わたくしの個人的な印象ではあるが、「美郷錦」で醸したお酒は、軽快できれいなお酒ができる傾向にあるとおもう。

 酒名「福小町」の由来について、蔵のホームページは以下のように紹介している。

「明治14年、明治天皇が御巡幸で秋田県雄勝郡湯澤町(現湯沢市)を訪れた際、その侍従長が木村酒造を宿に充てられました。当時、『男山』と銘打っていた酒を供したところ、甘くてやさしい香味が賞賛され、男山というよりも女性的な印象であったことから『福娘』という銘を賜ります。後に、小野小町生誕の地として知られる湯沢にちなんで『娘』を『小町』に。そして現在に至る『福小町』の酒名が誕生しました」

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