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文化

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【4551】而今 純米吟醸 酒未来 無濾過生(じこん)

2021.4.24 22:21
三重県名張市 木屋正酒造
三重県名張市 木屋正酒造

【B居酒屋にて 全7回の⑦完】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。今回は、人並み以上の嗅覚を発揮する酒友ちーたんに同席してもらった。

「風の森」「綿屋」「田中六五」「賀儀屋」「日輪田」「赤武」と飲み進め、最後7番目にいただいたのは「而今 純米吟醸 酒未来 無濾過生」だった。「而今」は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、21種類を取り上げている。今回のお酒は、当連載【905】で取り上げたものと同じお酒だが、掲載してから9年たっているので、再び取り上げることにする。さて、いただいてみる。

 ちーたん「おーっ! いい香り。華やかだけど嫌味がない」
 酒蛙「おーっ!! 旨いっ!! 吟醸香は適度。旨みと酸が濃厚で旨い! 果実感があり、ジューシーでキレが良い」
 ちーたん「酸が美味しい」
 酒蛙「甘みは、飴を煮詰めたようなニュアンス。余韻は苦み」
 ちーたん「それは、香りにあるかも。美味しい。苦みがいい」
 酒蛙「やっぱり、美味しい。甘旨酸っぱい。中でも甘みが良く出ている。品があり、孤高感がある。モダンタイプのミディアムボディからフルボディにかけてのボディ感」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料米 酒未来(100%)、精米歩合50%、アルコール分16%、製造年月2021.02」。

 このお酒は、「酒未来」という酒造好適米でつくられている。この「酒未来」について、ウィキペディアは、「1999年、民間機関開発。高木酒造の高木辰五郎が山酒4号/美山錦を交配して育種。米雑穀卸業の株式会社アスクが商標登録の権利を有する」と説明している。

 また、地酒屋サンマートのサイトの中にある「お酒用語集」では、以下のように説明している。「『十四代』で知られる山形県の高木酒造の高木辰五郎社長が、『山酒4号』『美山錦』を交配して育種した酒造好適米。自社で交配、育成し、地元の山形県内で栽培した酒造好適米を用いた日本酒を醸造することにより、全国に山形の清酒をアピールする目的で誕生。酒造会社自ら酒米の交配、育種を手掛けた例は全国的でも珍しく、『龍の落とし子』と兄弟系統にある『酒未来』は、山田錦の交配種にあたり、品種改良によって山田錦の系統を受け継いだ醸造適正が非常に優れた酒造好適米です」

 母「山酒4号」と父「美山錦」を交配した結果、「酒未来」が誕生したわけだが、「山酒4号」は、「金紋錦」と「山田錦」を交配して生まれた。ということで、「酒未来」は「山田錦」の孫に当たる。

 ちなみに高木氏は同じ時期に「龍の落とし子」と「羽州誉」という酒米も交配・開発しており、「酒未来」も含め、3部作といわれている。「酒未来」の育成・開発には18年もの歳月を費やした、という。

 裏ラベルには、どの「而今」の裏ラベルにも書かれているように、これも、「過去に囚われず 未来に囚われず 今をただ精一杯に生きる  杜氏 大西唯克」と、蔵の口上が書かれている。「今この一瞬」。文語では、「而して今」。これが、酒名の由来だ。由来についてコトバンクは、「酒名は、仏教用語で『今の一瞬』の意。過去や未来に囚われず今をただ精一杯に生きるという意味を込めて命名」と説明している。「而今」とは、道元禅師が中国での修行時代に悟った世界観。

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