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文化

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【4545】風の森 純米奈良酒 秋津穂657 無濾過無加水生酒(かぜのもり)【奈良県】

2021.4.18 22:24
奈良県御所市 油長酒造
奈良県御所市 油長酒造

【B居酒屋にて 全7回の①】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。今回は、人並み以上の嗅覚を発揮する酒友ちーたんに同席してもらった。

 トップバッターに選んだのは「風の森 純米奈良酒 秋津穂657 無濾過無加水生酒」だった。「風の森」は、わたくしの口に極めて合うお酒で、わたくしにとって、常にベスト5に入っている銘柄だ。「風の森」はけっこう飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、18種類を取り上げている。

 今回のお酒は「風の森 秋津穂 純米 しぼり華 無濾過無加水生酒」(当連載【1982】)と同じなのだそうだが、【1982】のお酒のアルコール分は17%だったが、今回は16%に設計変更した。よって、別物として扱い、当連載に取り上げることにした。

 さて、いただいてみる。のっけから驚いた。開栓したら、「ボーン!!!」という大音量とともに、栓が激しく飛び、部屋の天井にぶつかったのだ。

 酒蛙「発泡のしゅわしゅわ感が強く、味わいもまるでサイダーみたいだ。甘旨酸っぱくて、極めてジューシー」(グラスの写真に気泡がたくさん写っている)
 仲居さん「フルーティー!」
 酒蛙「甘やかな香り」
 ちーたん「そうそう。多く飲んでも翌日に残らない酒だ。幸せな気持ちになる」
 酒蛙「余韻は軽い苦み。キレが非常に良い。非常にさわやか」
 ちーたん「さわやか。苦みがすごく良い」
 酒蛙「きれいな酒質で、軽快感がある。しかし、甘・旨・酸がしっかりあり、飲みごたえもある。典型的なモダンタイプのお酒でライトボディ。いやはや参った。実に実に旨い!」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「1998年、風の森始動。全ては風の森峠の秋津穂米から始まった。風土を醸す。風の森の代表酒」
「風の森は、超低温で長期間発酵を進めることでお米の個性を最大限に表現します。発酵日数32」
「この度、アルコール分を16%へ設計変更いたしました。口に含んだ時の充実感と飲みやすさを両立し、さらに味の奥行きを感じられるようになりました。秋津穂657はこれからも風の森スタンダードとしてあり続けます」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、奈良県産 秋津穂100%使用、精米歩合65%、アルコール分16度、2020BY、製造年月2020.12」。

 ラベルでは使用米を「秋津穂」と表示しているが、品種登録名は「アキツホ」。日本国の古い呼び名である「秋津島」の稲の穂、という意味だ。ちなみに「秋津」とは、トンボの古い呼び名。

「アキツホ」は農林水産省東海近畿農業試験場/水田作部作物第1研究室が1962年、母「ヤマビコ」と父「日本晴」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。1972年に命名された主食用米。現在、飯米用の需要は非常に少なくなったが、酒の原料米に利用されるようになってきている。

 酒名の副題「657」の意味について、奈良県磯城郡田原本町の酒販店「酒のあべたや」のサイトは、以下のように説明している。「2020年2月より、「風の森 秋津穂65 純米しぼり華」と言う、これまでの名称から「風の森 秋津穂 657」と変更になりました。65は65%精米、7は7号酵母を表現しています。また大吟醸や吟醸の表記は廃止されます。純米奈良酒となります」

 また、酒屋さんのサイトに「蔵元さんより」というコーナーがあり、蔵元さんが以下のコメントを寄せている。

「今回、アルコール16%で秋津穂657を初めて醸造させて頂きました。アルコール分が低くても味わいのボリューム感を表現するため、17%設計時より日本酒度をやや手前に設計しているため、味わいの秋津穂特有の苦味が従来よりやや少なく感じられ、より飲みやすい味わいとなっております。また、醪中のアルコール度数による酵母への負担が少ないため、より透明感高く、白ブドウや青いバナナ、サイダー様の秋津穂657らしい香りや味わいをお楽しみいただけるかと思います。今後もより一層、風の森のスタンダードである秋津穂657をより沢山の方々にお楽しみ頂けるよう、試行錯誤を続けて参ります」

 酒名「風の森」の由来について、蔵のホームページは「御所市内にある地名『風の森峠』に由来します。緑豊かな葛城金剛山麓に位置し、一年心地よい風が峠を駆け抜けます」と説明している。

 また、大和屋酒舗(広島市)のサイトは、以下のように説明している。「『風の森』の酒名は同市内にある風の森峠から付けられました。峠付近は、日本で一番早く稲作が行われた地域だといわれ、金剛山麓から強く吹き抜ける風を避け五穀豊穣を祈願して、風の神である志那都彦神(しなつひこのかみ)を祭神とする『風の森神社』が近くの森に祀られています」

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