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文化

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【4543】与右衛門 純米大吟醸 無濾過 火入れ 岩手県産美山錦 40%精米(よえもん)【岩手県】

2021.4.16 16:52
岩手県花巻市 川村酒造店
岩手県花巻市 川村酒造店

【H居酒屋にて 全5回の④】

 なじみのH居酒屋の店主からショートメールが入った。「FY2(若波=福岡県)など新しいお酒が入りましたので、お越しください」。おおおっ、それなら行かねばならない。常人では考えられない嗅覚力を誇るちーたんに同席を願い、新しいお酒を味わった。

「勝駒」「寒紅梅」「播州一献」と飲み進め、4番目にいただいたのは「与右衛門 純米大吟醸 無濾過 火入れ 岩手県産美山錦 40%精米」だった。「与右衛門」というと、特有のセメダイン香(酢酸エチル)似の含み香が特長で、わたくしは非常に気に入っている。わたくしの友人の中には、「与右衛門一筋」という人も。言い方は大げさだが、“魔性の含み香”と言ってもいいような香りで、ハマるととことんハマる酒だとおもう。当連載でこれまで、「与右衛門」を15種類取り上げている。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 ちーたん「甘い香り。苦みを感じる味わい」
 酒蛙「んんん??? 『与右衛門』特有のセメダイン香(酢酸エチル)似の含み香が感じられない。香りを抑えているニュアンス」
 ちーたん「香りは、草丈が低いスズラン系」(なんたる表現なのだ!)
 酒蛙「さらっとした口当たり」
 ちーたん「香りと味のギャップが面白い」
 酒蛙「軽い旨み、適度な甘みが出ている」
 ちーたん「まろやかな水を飲んでいるようなお酒」
 酒蛙「やわらかい」
 ちーたん「苦・渋の余韻が長い」
 酒蛙「酸が適度にあり、後味の苦みがけっこう出ている」

 特有のセメダイン香(酢酸エチル)似の含み香が感じられないことに驚いた。と同時に、特有の含み香が感じられない共通の法則のようなものを、ひらめきで思いついた。これまで「与右衛門」を各種飲んできて、特有の含み香が感じられなかったのは「与右衛門 純米大吟醸 無濾過 火入れ 吟ぎんが45%精米」(当連載【1555】)と「与右衛門 純米大吟醸 無濾過火入れ 阿波山田錦 40%精米」(当連載【2401】)の2種類。そして、今回のお酒を含め、3種類とも純米大吟醸だったのだ。純米大吟醸という最高ランクのお酒が、「与右衛門」らしさが無い酒だったのだ。これをみると、蔵ではこの“らしさ”を好ましく感じていないようにおもえてならない。

 裏ラベルのスペック表示は「2019仕込み17号、自家酵母使用、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 岩手県産 美山錦100%使用、アルコール分15.0度以上16.0度未満、精米歩合40%、日本酒度+5、アミノ酸度0.6、酸度1.6、使用酵母M7、醪日数24日、製造年月2020.12」

【備考】タイトルは「与右衛門」と書きましたが、「与」は、正しくは、偏が酉、旁(つくり)が与。酒のラベルの字をごらんください。パソコンにこの字が無いため、暫定的に「与右衛門」と記述しました。蔵の19代当主の名にちなんだ酒名だそうです。

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