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文化

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【4498】千姫 純米吟醸 ひたち錦使用(せんひめ)【茨城県】

2021.3.1 20:38
茨城県常陸太田市 檜山酒造
茨城県常陸太田市 檜山酒造

【日本酒研究会月例会 全6回の➁】

 足掛け15年目に突入した日本酒研究会。異業種間交流飲み会ながら、毎月欠かさず飲み続けてきた(ただし、2020年4~10月の7回分はコロナのために不開催)。草創期のメンバーJの提案で、日本全国の現役蔵の酒を全部飲む、という遠大な目的のもとに飲み続けている。一時は、飲んだことのない蔵の酒を探すのが頭打ちになり、なかなか蔵数が増えなかったが、月例会の会場をE居酒屋に移してからは、続々と新蔵酒の登場しわたくしたちを喜ばせている。

 これは、ママの知恵袋であるバイヤーKさんの活躍によるもの。Kさんはわたくしたちの既飲蔵リストをもとに、わたくしたちがまだ飲んだことがない蔵の酒を探し出し入手、月例会に出す酒のラインナップを組んでいるのだ。今回は、茨城県酒6種類のうち、3種類が飲んだことがない蔵のお酒。これで、わたくしたちが飲んだことのある酒の蔵は、合計1196蔵となった。Kさんには感謝しても感謝しきれないほどお世話になっている。この場を借りてお礼を申し上げます。

 さて、Kさんの指示通り、まず最初に「富士泉」をいただく。次にいただいたのは「千姫 純米吟醸 ひたち錦使用」。もちろんいずれも、わたくしにとっての初蔵酒。見るのも聞くのも初めてだ。

 瓶の肩に「ピュア茨城」と書かれたラベルが貼られている。また、「純茨城の酒」と題したタグが瓶の首に掛けられていた。裏にその説明が、以下のように書かれていた。
「一、茨城県初の酒造好適米を使用(ひたち錦)
 一、さわやかな香気を放つ高品質な茨城県の酵母(ひたち酵母他)
 一、豊かな地下水源と滋味を持つ茨城の水(五源流)
純米造り(精米歩合の違い)の個性溢れる味をお楽しみ下さい」

 また、茨城県酒造組合のサイトは「ピュア茨城」について、以下のように説明している。「平成15年からスタートした純茨城の酒『ピュア茨城』は、『口下手だけど、ほのぼのとした味わいのある、茨城気質そのままの酒』。茨城県初の酒造好適米『ひたち錦』と茨城県産の酵母を使い、参加蔵がそれぞれの水と技で、たっぷりと手を掛けた個性豊かな純茨城の酒(特定名称酒)を作り出しています。蔵それぞれの味わいをぜひ飲み比べてみてください」

「ピュア茨城」は、要するに純粋茨城の酒を売り出すため、茨城県酒造組合が企画したもので、同組合加盟の36蔵に呼びかけ、希望蔵は、コメは「ひたち錦」、酵母は茨城県の酵母、純米造りというこの3つの“しばり”で造る、というもの。各蔵、水と人(技術)が違うので、しばりをかけても、変化に富んだ酒が生まれるのではないだろうか。さて、いただいてみる。

 B 「これ、好きかも」
 Y 「酸味が出ている」
 I 「美味しい」
 Y 「吟醸だけど吟醸香があまりしないような・・・」
 酒蛙「透明感のある、すっきりとした口当たり」
 I 「そうそう」
 酒蛙「吟醸酒だけど香りを抑えているね。甘みと旨みはすくなめ、辛みは適度。淡麗辛口寄りかなあ。今風に言えば、クラシックタイプのライト系かな」
 B 「ちょっと甘みがあるかも。もうすこし濃ければ、なおよろしい」
 酒蛙「酸がけっこう出ていて、いいね。キレが良い。飲み飽きしない」
 B 「酸、出てますね~♪」
 酒蛙「飲めば飲むほど飲みたくなる酒だ。危ないなあ」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように説明している。「常陸太田市町屋町は清らかな水の流れる里川があり伏流水の豊かな土地で酒造りに適したおいしい水が得られます。洗米、製麹、発酵、上槽まで細心の注意で造りあげたフルーティでまろやかな酒です」

 また、蔵のホームページは、以下のように紹介している。「茨城県産の酒造好適米『ひたち錦』を使い、低温発酵などで造り上げた、ふくよかでまろやかな『純茨城の酒』です。フルーティーなさわやかな香りと純米酒ならではの味わいをお楽しみいただけます」

 裏ラベルのスペック表示は「久慈川水系、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 ひたち錦100%、精米歩合60%、アルコール分15度、製造年月2年12月」。使用米の「ひたち錦」は、茨城県農業総合センター生物工学研究所が1991年、母「岐系89号」と父「月の光」(愛知56号)を交配、選抜・育成を繰り返し開発。2003年に品種登録された酒造好適米だ。

 酒名「千姫」にまつわる話を、蔵のホームページは以下のように紹介している。

「創業からの清酒『朝日正宗』に加えて、昭和40年(1965年)頃に、他社様との共同瓶詰工場を構えた際、その工場の銘柄を『千姫』としましたが、数年後、解散するにあたり弊社の銘柄となりました。もっと多くの女性の方々にも、お酒を楽しんでいただきたいとの思いを込めて『千姫』は純米自然酒として弊社の主力銘柄になりました。ラベル『千姫』の書は、遠縁の書道家矢萩春恵先生によるものです。
 それから十数年後の昭和55年頃、茨城県水海道市(現在は常総市水海道町)に、徳川家康の孫である千姫の墓所があることを知りました。県内の近隣の市に歴史上縁のある『千姫』だったことに驚き、それ以上に、その水海道市で、現社長 檜山雅史が生れていたことに、驚かされました」

 そもそも一番最初、茨城県の蔵がなぜ酒名を「千姫」にしたかの動機については分からないままだが、興味深い話ではある。

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