メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

【4432】近江ねこ正宗×すぐるビッグカツ 純米 山田錦100%使用(おうみねこまさむね)【滋賀県】

2020.12.24 14:10
滋賀県東近江市 近江酒造
滋賀県東近江市 近江酒造

【近江ねこ正宗 全4回の①】

 ネットか何かで「ねこ正宗」なる酒があることを知り、興味津々。なじみのH居酒屋の店主に「『ねこ正宗』を入れてよ」とリクエストしたら、なんと「4種類入れました」と店主から連絡が入った。おおっ、それなら早く行かなくっちゃ。おっとり刀で、酒友Yと2人でH居酒屋の暖簾をくぐった。

 まずいただいたのは、「近江ねこ正宗×すぐるビッグカツ 純米 山田錦100%使用」だった。人気駄菓子とお酒のコラボ企画によって生まれた酒は6種類あり、当連載では今回の「近江ねこ正宗×すぐるビッグカツ」のほか、「春鶯囀×カットよっちゃん(酢イカ)」「窓乃梅×歌舞伎揚」を取り上げる。

「すぐるビッグカツ」は、スグル食品(広島県呉市)の人気駄菓子。タラのすり身で作ったシートをベースとし、衣にオリジナルソースを混ぜ込んで揚げたカツフライ。パン粉はカリッと衣は柔らかい揚げたての食感。香ばしくコクのある味わいとのこと。近江酒造では、猫はタラが好きなので、ねこ正宗はビッグカツが大好き、とコラボの理由をユーモラスに説明している。

 そもそもなぜ猫を酒名にしたのか。蔵のホームページは「近江ねこ正宗とは」と題し、以下のように説明している。「2016年、『猫が好きで、日本酒が好き』の方に可愛がってもらえるように、猫好きの滋賀県の老舗日本酒蔵の近江酒造 今宿社長の下で誕生しました。元々、酒蔵では米のねずみ害防止や“招き猫”として愛猫家が多いともいわれており猫ラベル商品も多数ありますが、近江ねこ正宗も、“何よりも猫が好き”で“何よりも日本酒が好き”な蔵主の愛情が細かいところに注がれています」

 さて、「近江ねこ正宗×すぐるビッグカツ」をいただいてみる。まずは、冷酒単独で。

 Y 「昭和レトロ的クラシカル香味がいる」
 店主「うん、いっぱいいるね。酸を感じる」
 酒蛙「旨みはすくなく、すっきり・さっぱりした口当たり。キレが良い」
 店主「キレが良いね」
 酒蛙「味が出方がすくなめで、平板な印象を受ける」
 Y 「水の如しだね」
 酒蛙「温度がすこし上がってきたら、昭和レトロ的クラシカル香味が強めに出てきた。すこし酸も出てきた」

 この日は、「ビッグカツ」が無かったので、最後に「焼きうどん」と合わせてみた。H居酒屋の焼きうどんは、お多福ソースを使っているので、ソースを使うビッグカツの代用になるのではないだろうか、という発想だ。さて、いただいてみる。

 Y 「おおおおっ、こりゃ、合うわ~~~~っ!」
 酒蛙「これはいい。辛みを感じるようになってきた」
 Y 「これは合う」
 店主「旨いね。最初から最後まで辛みを感じる。普通の酒になったね。合うね」
 酒蛙「甘みと辛みを感じる。う~む、これほど合うとはおもわなかった。あまり味が出ていない酒が、ビッグカツと合わせることにより、酒の甘みと辛みが引き出されたんだ。ビッグカツ、なかなかやるなあ!」

 ビッグカツにより、酒の味が引き出されたとは、びっくり仰天。食べ物が酒に与える影響を知る典型例のひとつといえそうだ。これは面白い。実に面白い。

 それから1週間後、今度は、酒友ちーたんと暖簾をくぐった。“セカンド・オピニオン”を得るためだ。まずは、冷酒単独でいただく。

 ちーたん「あまり香りがしない」
 酒蛙「そうそう」
 ちーたん「直進で来る酒だ」
 酒蛙「さっぱりとした口当たり。おおっ、1週間前には冷酒段階で感じられなかった甘みを感じるよ。味が出ているよ」
 ちーたん「開栓して1週間なので、すこし酸化し、味が乗ってきたんだよ」
 酒蛙「なるほど、デキャンタ効果か」

 さて、いよいよハイライト。ビックカツと合わせる番だ。前回はソース焼きうどんで合わせたが、今回はH居酒屋の店主が、わざわざ駄菓子屋に行き、ビッグカツを買って来たのだ。満を持しての“合わせ”だ。

 ちーたん「う~ん、(合わせた結果、酒がどう変わったのか)よく分からない」
 酒蛙「うん、よく分からない。ん? あ? いや、辛みが出てきたぞ。甘みと辛みが出てきた」
 ちーたん「このソースと合うんだろうな。酒とソース味がケンカをしない。素直に受け入れられる」
 酒蛙「ビッグカツと合わせると、酒の味わいの幅が広がる」
 ちーたん「ビッグカツは、酒の味の引き出し役ってことだね」
 酒蛙「そういうことだ。なかなかいい表現だね」

 1週間のデキャンタ効果で、酒じたいの味が乗ってきたため、1週間前ほどはビッグカツと合わせたときのドラスティックな変化は感じられなかったが、それでも、合わせる前と後とでは、酒の味が引き出され、幅がでてきたのは、やはりビッグカツ効果といえそうだ。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「実は…【近江ねこ正宗】は、【すぐるビッグカツ】が大好きなんです。“冷酒でクール”に、“温かく癒されるぬる燗”、幅広くお楽しみ下さい。もちろん、“すぐるビッグカツ”も忘れずに」

 裏ラベルのスペック表示は「アルコール分14度、原材料 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合65%、製造年月20.2」。

 この蔵の主銘柄は「志賀盛」と「近江龍門」。それぞれの名の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「近江酒造は、大正6年、近代化を念じ、地元の酒造家や酒販業者が相集い、株式会社組織がが設立されたのがはじまりです。代表銘柄の『志賀盛』は、この“志”を同じゅうすることを“賀”し、ますます隆“盛”を期す意気で命名され、創立以来変わることなく現在に至ります。
『近江龍門』。近江の国、滋賀県の湖東地方に位置する永源禅寺。その奥山にある幽玄の滝『識蘆ノ滝』は、禅寺では、秘境に糸引く『龍門の滝』と呼ばれています。人の心を幽玄の世界に導く幻の酒として、管長様から命名を戴きました」

関連記事 一覧へ