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文化

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【4430】菱湖 純米大吟醸(りょうこ)

2020.12.21 14:30
新潟県新潟市 峰乃白梅酒造
新潟県新潟市 峰乃白梅酒造

【B居酒屋にて 全7回の⑥】

 せんだって、なじみのB居酒屋で、異業種間飲み会の「TU会」例会が開かれた。例会は2カ月に1回開いている。例会では6種類の、これまで飲んだことがない酒を飲んだが、冷蔵庫の中には飲んだことがない酒がまだ鎮座していた。それも飲もうではないか。後日、それらを飲むため、TUと暖簾をくぐった。

「墨廼江」「獅子吼」「世は満続」「ひらり」「二兎」と飲み進め、6番目にいただいたのは「菱湖 純米大吟醸」だった。「菱湖」は初めて飲む酒だとばっかりおもっていたが、調べてみたら以前、1種類を当連載で取り上げていた。峰乃白梅酒造のお酒は当連載でこれまで2種類を取り上げており、内訳は「峰乃白梅」が1つ、「菱湖」が1つだ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「甘いっ!」
 TU「香りの段階から甘い。甘みを感じたあとに、旨み、辛み、酸がくる」
 酒蛙「うん甘みのあとに、旨みと酸がくるね。甘み主体の味構成だけど、くどさは無く、不思議とすっきりとした軽快感がある口当たりだ。香りはほのか」
 TU「甘いよぉ、これ」
 酒蛙「最初のアタックは甘みが中心だったけど、温度がすこし上がったら、甘みに苦みが加わったものが味の主体になる。吟醸香は適度」

 瓶の裏ラベルは、この酒を「酵母の香りを引き出し、米のうまみ、綺麗な甘みを感じる芳醇旨口な酒」と紹介している。

 裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、原料米 愛山100%使用、製造年月20.03」。

 使用米の「愛山」は、兵庫県立明石農業改良実験所が1941年、母「愛船117」と父「山雄67」を交配。太平洋戦争を経て1949年に品種を固定した。母方の父は雄町系、父方は雄町と山田錦の子という、全身に山田錦と雄町の“血”がたっぷり入っている、酒米界のサラブレッド的出自を誇る。玄米が大粒で、山田錦と同等かそれ以上の、米粒の重さと、米糠割合の少なさのため、酒造効率が良く、酒造に非常に適している、という評価が高かった幻の品種。現在は、兵庫県のごく一部の生産者だけが栽培している。

 この蔵の主銘柄名・蔵名「峰乃白梅」(みねのはくばい)は、「越の三梅」(こしのさんばい)の一つと言われる。「三梅」は、「峰乃白梅」(峰乃白梅酒造、新潟市西蒲区)のほか、「越乃寒梅」(こしのかんばい、石本酒造 新潟市江南区)、「雪中梅」(せっちゅうばい、丸山酒造場 上越市三和区)。

「峰乃白梅」の名の由来について、コトバンクは、「酒名は、品質で『山頂』を目指す意味で『峰』を冠し、『白梅』のように格式ある酒を造りたいという願いを込めて命名」と説明している。

 また、酒名「菱湖」は、蔵が所在する新潟市西蒲区と同じ西蒲区出身の著名な書家・巻 菱湖(まき りょうこ、安永6(1777)年~天保14(1843)年)の雅号による。市河米庵、貫名菘翁とともに「幕末の三筆」と並び称された。現在でも将棋の駒においては、銘駒と呼ばれる書体の1つが菱湖体で、タイトル戦などで使用される高級な駒などによく用いられている。

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