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文化

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【4429】二兎 純米大吟醸 愛山 48 火(にと)【愛知県】

2020.12.20 18:22
愛知県岡崎市 丸石醸造
愛知県岡崎市 丸石醸造

【B居酒屋にて 全7回の⑤】

 せんだって、なじみのB居酒屋で、異業種間飲み会の「TU会」例会が開かれた。例会は2カ月に1回開いている。例会では6種類の、これまで飲んだことがない酒を飲んだが、冷蔵庫の中には飲んだことがない酒がまだ鎮座していた。それも飲もうではないか。後日、それらを飲むため、TUと暖簾をくぐった。

「墨廼江」「獅子吼」「世は満続」「ひらり」と飲み進め、5番目にいただいたのは「二兎 純米大吟醸 愛山 48 火」だった。丸石醸造のお酒は当連載でこれまで、7種類を取り上げており、うち5種類が「二兎」。丸石醸造のお酒は、総じてモダンタイプでジューシー、というイメージが強く、わたくしの口に合い、好印象を持っている。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 TU「甘いよ。若干、酸が先に来るけど、甘みがすごい」
 酒蛙「やわらかな吟醸香。甘みと旨みを一番感じる。続いて酸も。セメダイン香(酢酸エチル的芳香)もあり。キレが良い。ボリューム感・濃醇さを最初は感じるが、次第にさっぱり、すっきりとした酒質に。基本、軽快で、ジューシーな味わい」
 仲居さん「『二兎』に抱いていたイメージより軽快感がある。甘みが出ているが、バランスが良い」
 TU「甘辛酒か。辛みが尾を引く」
 仲居さん「感じるすべてがライト」
 酒蛙「きれいな酒質で、上品感がある」

 瓶の裏ラベルは、「二兎追うものしか二兎を得ず」と題し、この酒を以下のように紹介している。

「味と香、酸と旨、重と軽、甘と辛、入りと後味、複雑と綺麗…。二律背反する二つのコトガラを最高のバランス味わいになるように造りました」「二兎は“時間の経過”・“温度の変化”・“空気との触れ合い”により様々な顔をみせるお酒です」

 この「二兎追うものしか二兎を得ず」を、わたくし、非常に気に入っている。わたくしは子供時代から、いましめのひとつの常套句「二兎を追うもの一兎も得ず」というのが気に入らなかった。なぜ二兎を追ってはいけないんだ?と。子ども心に納得できないナニガシカがあった。しかし、「二兎追うものしか二兎を得ず」を見て、やっぱり、そうおもっている人がいたんだ、と大いに納得したものだった。うれしかった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 愛山100%使用、精米歩合48%、アルコール分16%、製造年月20.10」。

 使用米の「愛山」は、兵庫県立明石農業改良実験所が1941年、母「愛船117」と父「山雄67」を交配。太平洋戦争を経て1949年に品種を固定した。母方の父は雄町系、父方は雄町と山田錦の子という、全身に山田錦と雄町の“血”がたっぷり入っている、酒米界のサラブレッド的出自を誇る。玄米が大粒で、山田錦と同等かそれ以上の、米粒の重さと、米糠割合の少なさのため、酒造効率が良く、酒造に非常に適している、という評価が高かった幻の品種。現在は、兵庫県のごく一部の生産者だけが栽培している。

 この蔵の主銘柄は「徳川家康」「三河武士」。“まんま”である。丸石醸造の創業は元禄3年(1690)と古い。酒名「徳川家康」は、蔵元所在地の岡崎が徳川家康生誕の城下町であることにちなみ命名。

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