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文化

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【4425】墨廼江 純米吟醸 RICE IS BEAUTIFUL [SoLiD](すみのえ)【宮城県】

2020.12.15 21:14
宮城県石巻市 墨廼江酒造
宮城県石巻市 墨廼江酒造

【B居酒屋にて 全7回の①】

 せんだって、なじみのB居酒屋で、異業種間飲み会の「TU会」例会が開かれた。例会は2カ月に1回開いている。例会では6種類の、これまで飲んだことがない酒を飲んだが、冷蔵庫の中には飲んだことがない酒がまだ鎮座していた。それも飲もうではないか。後日、それらを飲むため、TUと暖簾をくぐった。

 トップバッターは「墨廼江 純米吟醸 RICE IS BEAUTIFUL [SoLiD]」だ。「墨廼江」は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、18種類を取り上げている。やわらかな口当たりの、きれいで、品があり、軽快感のあるお酒。これが「墨廼江」に対するわたくしのイメージ。ざっくり言うと、やや淡麗でクセの無いお酒。このような酒はトップバッターに最適だ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「グラスに注ぐとかぐわしい香りがほのかに。飲むと旨み少なく、きれいで、さっぱりとしたドライな酒質」
 TU「軽い。瓶の裏ラベルに『シャープ&ドライ』って書いているよ」
 酒蛙「おおおっ、俺のテイスティングが当たったよ♪」
 TU「酸あり」
 酒蛙「たしかに酸がある。そして辛みも」
 TU「本当に辛い」
 酒蛙「辛・酸酒だから、飲み飽きしないで、ずっと飲める。いいね」
 仲居さん「上品な辛さだわ」
 酒蛙「おおおっ、大正解! そして、すごい表現力。参った! ただ辛いだけの酒でないもんね」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「墨廼江【RICE IS BEAUTIFUL】は『酒門の会』会員店の限定酒です。シリーズ第2世代は地元宮城県の米・水・酵母を使用し、純粋で無垢なキレ味のある辛口(=SoLiDソリッド)をテーマと致しました。低温で完全発酵させ、ただ辛いだけでなくクリアな米の味を残したシャープ&ドライな大辛口の純米吟醸酒です。今期はよりSoLiD感を出すために醪(もろみ)の発酵期間を延ばし、繊細な味わいが際立つように醸し出しました」

「酒門の会」について、同会のホームページは以下のように説明している。

「酒門の会とは、最高の品質、最高の満足をお客様に提供する全国各地の地酒専門店有志とその趣旨に賛同する蔵元が一体となり1994年9月に設立した会です。2020年現在、62件の会員酒販店と8場の蔵元で構成されています。『日本酒の世界を創造すること』を存在意義とし、市場を牽引し、且つ新しい市場を開拓し、会員酒販店及び蔵元がステータスアップし、各蔵元の商品をブランディング化していくことを目的とし活動しています」

 酒門の会に加入している8蔵(銘柄)とは「明鏡止水」「麓井」「黒龍」「初亀」「瀧自慢」「正雪」「喜楽長」「墨廼江」。この会の事務局は、株式会社「花山」(日本酒地方銘酒専門代理店、東京都台東区)。

 酒門の会のホームページは、この酒を以下のように紹介している。

「宮城県の大崎市(2018年に世界農業遺産に認定された地域)の篤農家さんとの契約栽培の『蔵の華』と『水』・『酵母』の全てが宮城県産のものを使用した純米吟醸酒。純粋で無垢なキレ味の良い辛口(=SoLiD・ソリッド)をテーマとして低温にて完全発酵させたクリアーでシャープな味わいの大辛口に仕上げております」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 宮城県産蔵の華100%(契約栽培)、精米歩合50%、使用酵母 宮城酵母、アルコール分16度、製造年月19.06」。酒門の会のホームページではさらに「日本酒度+12、酸度1.4」と公開している。

 使用米の「蔵の華」は宮城県古川農業試験場が1987年、母「東北140号」と父「『山田錦』と『東北140号』の子」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、2000年に品種登録された酒造好適米だ。稲は倒伏しづらく、病気に強く、穏やかな香りとすっきりした味わいの酒ができるのが特徴という。

 東日本大震災の4カ月前、いちど、墨廼江酒造を訪れ、蔵を見学させてもらったことがある。蔵元さんは、本当に優しくて穏やかで、控えめで、人柄の良さが顔にあらわれている好人物だった。「酒名と蔵名が、なぜ墨廼江なんですか?」というわたくしの唐突な質問にも、石巻市史(たしか・・・)を奥から出してきて、該当の部分を指で示しながら「蔵の創業当時、蔵があった場所が墨廼江と呼ばれていたことにちなみ命名されたようです。このくらいのことしか分かりません」と恐縮しながら答えていたのを、今でも鮮明に覚えている。

「墨廼江」は、昔の地名だったのである。東日本大震災で、墨廼江酒造も大きな被害を受けた。

 

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