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【4417】上川大雪 特別純米 吟風(かみかわたいせつ)【北海道】

2020.12.7 17:26
北海道上川郡上川町 上川大雪酒造緑丘蔵
北海道上川郡上川町 上川大雪酒造緑丘蔵

【日本酒研究会月例会 全6回の⑤】

 コロナ禍で4月から7カ月間、開催を自粛していた日本酒研究会の月例会。そろそろ再開していいだろう、と8カ月ぶりに例会を開いた。会では長年、M居酒屋をホームグラウンドに使ってきたが、諸事情があり、店を変える必要に迫られた。そこで、わたくしが新しいホームグラウンドに選んだのが、なじみのE居酒屋だった。この店は、酒の品揃えが素晴らしい。ふだん、目にしない銘柄も冷蔵庫に並ぶ。セレクションにセンスが感じられる。それが指名の要因だった。

「双葉山」「佐伯飛翔」「丹誠」「天賦」に続き、5番目は「上川大雪 特別純米 吟風」だった。これには驚いた。北海道の蔵は13蔵全部制覇したとおもっていたら、「上川大雪」という新たに蔵が誕生していたとは! 知らなかった。

 上川大雪酒造のホームページを要約すると、設立から今日に至るまでの概略は以下の通りだ。

 社長の塚原敏夫さんは1967年、北海道札幌市生まれ。小樽商科大学卒、野村證券(株)、外資系金融機関などを経て (株)三國プランニング代表取締役(現職)。世界に通用する日本酒(地酒)を醸し、『6次産業化地方創生ビジネス』のイノベーションを目指すため、日本酒の製造を休止していた三重県の酒造会社を、北海道上川郡上川町に移転し、上川大雪酒造を設立。2017年5月、「清酒及びリキュール製造場移転許可通知書」を受けた。

 北海道の同地を選んだ理由を、「流通やコストよりも酒造りの環境を最優先。日本で一番短い夏と長い冬。大自然が与えてくれる理想の酒造り」としている。つまり、冷涼な気候と大雪山系の伏流水こそが、日本酒づくりに最適、と判断したのだった。また、地元産米を使用することを基本理念とし、北海道産の酒造好適米「彗星」「吟風」「きたしずく」の3品種を使用することにしている。

 上川大雪酒造はさらに、国立大学法人「帯広畜産大学」との産学連携の取り組みとして、同大学キャンパス内に酒蔵「碧雲蔵」を創設した。北海道国立3大学経営統合(小樽商科大学・帯広畜産大学・北見工業大学)の象徴となる事業とし、農業から加工技術を経て、マーケティングして消費者届ける、6次産業化地方創生ビジネスのイノベーションを目指す。大学キャンパスに酒蔵を造るのは全国初だ。

 さらに来年、産学連携の取り組みとして函館工業高等専門学校と、函館市立亀尾小中学校跡地に酒蔵を創設する。酒蔵では、地元の「酒米」「水」等を利用した地酒製造、関連商品の開発を行うとともに、函館高専の研究施設も併設し、醸造学や醸造技術の教育研究、人材育成を目的とした連携を推進する計画だ。

 函館市は北海道有数の観光都市でありながら、地酒が無いのが悩みだった。このため、小樽市や兵庫県の酒蔵に頼んで、函館ラベルの酒を造ってもらい、観光客に提供してきたいきさつがある。上川大雪酒造の蔵建設により、天下晴れて函館地酒を観光客に提供できることになる。

 さて、前置きが長くなった。「上川大雪 特別純米 吟風」をいただいてみる。

 F 「わーーっ、すっきりしたお酒だ」
 N 「微炭酸を感じる」
 I 「しゅわっと、ね」
 酒蛙「香りは抑え気味でおだやか。おっ、辛酸っぱい味わいだ。飲み飽きしない酒だ」
 Y 「旨い。ドライなシャンパンを飲んでいるような感じ」
 F 「これ、おいしいじゃないか」
 H 「これ、いいよぉ~!」
 I 「すっきりした口当たりだ」
 酒蛙「同感。すっきりだ。しかも旨みたっぷりで、しっかりとした味わい。それなのにキレが良い。全体として、なかなか高レベルの酒だ。これまでの北海道の地酒になかった酒質と味わい。いい蔵が誕生した。うれしいことだ」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「上川大雪酒造が造る日本酒の味わいの基準となる
特別純米酒。穏やかな香りと飲み口がすっきりとした
『飲まさる酒』の原点がここにあります。
【杜氏からのメッセージ】
『飲まさる酒』の原点となる当蔵の看板酒。今流行りの華やいだ香りの日本酒を好む方から見れば、逆に新鮮に感じられるかもしれません。奥ゆかしく清楚な含み香、すぅ〜とのどに心地よいキレ。しっかりとした量感と長い余韻を感じながら、つい盃を重ねたくなるサラリとした辛口。箸と、盃と、この酒で『口福』を感じてください」

 瓶のラベルのスペック表示は「製造年月2020.09、原材料名 米(北海道産)米こうじ(北海道産米)、精米歩合60%、アルコール分16度、杜氏 川端慎治」。

 使用米の「吟風」(ぎんぷう)は、北海道立中央農業試験場が1990年、母「八反錦と上育404号の子」と父「きらら397」(主食用米)を交配、選抜と育成を繰り返し品種を固定。1999年に命名、2002年に品種登録された、北海道で栽培されている酒造好適米だ。

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