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文化

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【4355】出雲富士 夏雲 特別純米 生原酒(いずもふじ なつも)【島根県】

2020.10.2 11:14
島根県出雲市 富士酒造
島根県出雲市 富士酒造

【B居酒屋にて 全5回の①】

 久しぶりに酒友Tと飲んだ。Tは日本酒に対し勉強熱心で、わたくしと飲みながら、さまざまな質問をし学習していった。この飲み会をわたくしたちは「今さら聞けない日本酒講座」と称し、断続的に数回開いた。たとえば「山廃とは?」「生酛とは?」という基本的なことは知っているようできちんと言えないものを、飲みながらわたくしが分かりやすく説明する、という内容だ。

 今回、最初に選んだのは「出雲富士 夏雲 特別純米 生原酒」だった。2017年8月に飲んだ「出雲富士 特別純米 本生原酒 夏雲」(当連載【3052】)と、うたい文句が同じだが、ラベルが違っているし、それに伴いスペックも多少リニューアルしているだろうから再度取り上げることにした。さて、いただいてみる。

 酒蛙「さっぱりした口当たり」
 T 「酸味ですな。辛みも若干。おいしいですね」
 酒蛙「酸を感じる。やわらかな酸で、いい。余韻はすこし苦み」
 T 「本当にさっぱりとした口当たり。若干の酸・甘・旨。夏ですねぇ~」
 酒蛙「適度な甘旨みが出てくるが、さわやか感のある酒。飲みやすく、飲み飽きしない」
 T 「これ、おいしいですよ。エンディングが辛みで締まる」

 ちなにみ、2017年8月に飲んだ「出雲富士 特別純米 本生原酒 夏雲」のテイスティング結果は以下の通り。「甘い。旨みたっぷり。これが第一印象。この甘旨みは、辛みと酸を伴う。したがって、甘旨酸っぱくて、後味は辛みと苦みという味わい。そして、キレが良い。いかにも夏酒というラベルだが、軽快な夏酒ではなく、旨みがふくらむやや濃醇な飲み口」

 今回とだいぶ違っている。酒質に変わりなく、わたくしの舌の感じ方が違ったのか? それとも酒質が変わったのか? まあ、どちらでもいい。美味しくて、良い酒であることに変わりはないのだから。

 瓶の裏ラベルは、この酒を「夏だからこそしっかりと 夏の雲のように雄大に生原酒で」と紹介している。

 裏ラベルのスペック表示は「使用米 出雲産佐香錦(さかにしき)100%(特別契約栽培米)、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分16度、製造年月 令和2年5月」。

 使用米の「佐香錦」は、島根県農業試験場が1985年、母「改良八反流」と父「金紋錦」を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に品種登録された酒造好適米だ。出雲市にある佐香(さか)神社は、お酒の神様として名高い。この神社の名にあやかった酒米だ。

 出雲富士は、鳥取県と岡山県にまたがる中国地方の最高峰、標高1,729mの大山の別称。大山はまた伯耆富士とも呼ばれる。出雲富士はまた、島根県松江市にある枕木山(標高453m)の別称でもある。

 酒名「出雲富士」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「古来から富士山といえば日本の象徴で、日本人の誇れる存在です。出雲の地で、富士山のように愛される日本一の出雲の地酒を造りたいという大きな志を込めて、初代蔵元今岡正一により命名されました」

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