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文化

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【4264】伝心 First Class 純米大吟醸(でんしん)【福井県】

2020.7.12 18:29
福井県勝山市 一本義久保本店
福井県勝山市 一本義久保本店

【B居酒屋にて 全8回の⑧完】

 コロナ感染防止のため、東京などで予定していた飲み会が次々中止になっていった。現時点で、中止になった飲み会は、今月だけで6件。出費が抑えられるからいい面はあるが、わたくしの場合、飲み会を、この「日本酒津々浦々」の取材に充てているので、取材の機会が失われ、執筆・掲載に支障をきたすことになる。

 そこで、自力で近所の居酒屋に取材に行かなければならない。当然、酒の銘柄に偏りが出てくるが、正常化までの“つなぎ”だから、止むを得ない。ということで、なじみのB居酒屋の暖簾をくぐる。よもや、このような状況になるとは思っても見なかった。

「惣邑」「白隠政宗」「寒菊」「平井六右衛門」「篠峯」「七田」「木戸泉」と飲み進め、最後8番目にいただいたのは「伝心 First Class 純米大吟醸」だった。この蔵のお酒は、当連載でこれまで、「一本義」を3種類、「伝心」を1種類を取り上げている。「伝心」を飲むのはほぼ9年ぶりなので、味の記憶は残っていない。さて、いただいてみる。

 さらりとして、なめらかな、丸みのある口当たり。甘みと旨みがやさしく広がり、双方どちらかというと甘みの方がより出ている。吟醸香がやや華やかだが、全体として、落ち着き感があり、おとなしい酒質。そして、上品感がある。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 奥越前産 山田錦100%、精米歩合30%、アルコール分16度以上17度未満、製造年月19.03」。これを見て驚いた。精米歩合がなんと30%。米の内側30%(外側70%は削り、削った粉は米菓用などに向ける)だけを使って醸したお酒だ。道理で上品な味わいだったわけだ。

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「奥越前の契約栽培農家と共に丹精こめて育てた、酒米の王『山田錦』を原料米に使用。中心部分30%になるまで超高精米し、最上の手間隙をかけて純米大吟醸酒を醸しました。みずみずしく華やかな香り、口の中に広がる充実したふくらみ、そしてまろやかな一時の余韻。伝心シリーズ唯一の特別限定酒です」

 酒名に「First Class」とうたっていることについて、蔵のホームページは「【2009年】ANA国際線ファーストクラス搭載酒」と説明している。誰もがわざわざホームページを見るわけではないので、酒名にうたう以上は、ラベルでも説明してほしかった。

 このほかホームページでは、この酒の数々の受賞歴を以下のように紹介している。

「・インターナショナルサケチャレンジ 最高賞トロフィー1回、金賞2回、銀賞3回、銅賞3回 ・全米日本酒歓評会 金賞6回 ・インターナショナルワインチャレンジ「SAKE部門」 銀賞3回、銅賞4回 ・ワイングラスでおいしい日本酒アワード 金賞4回 ・蔵マスター純米大吟醸部門 プラチナ賞1回 ・南部杜氏自醸清酒鑑評会 純米吟醸の部 優等賞7回」

 酒名「伝心」の由来について、蔵のホームページは以前、以下のように紹介していた。

 「人が面と向かい、話し合うだけでは心を通い合わせることが出来ない時、酒が一滴の魔法となって心を伝え、和を結ぶことが出来る。私たち日本人は、遥か昔からそんな知恵を大切に育んできたのだと思います。人が和を結び、人の輪が結ばれること願って醸した酒『伝心』。時に力強く、そよぐほどに優しく、包み込むほど穏やかに、そして凛として。四つの個性をお楽しみ下さい」

 また、主銘柄「一本義」の由来について、日本の名酒事典は「“最高の真理、優れた悟りの智慧を極めた境地”という意味をもつ禅語の“第一義諦”からとられたものといわれる」と説明している。

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