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文化

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【4149】明日の日本を語る酒 純米吟醸【福島県】

2020.2.20 21:20
福島県喜多方市 喜多の華酒造場
福島県喜多方市 喜多の華酒造場

【日本酒研究会月例会 全6回の①】

 足掛け13年にもおよぶ超長寿飲み会「日本酒研究会」。大層な会名だが、単なる飲み会。異業種間交流にもかかわらず、1回も欠かさず、こんなに長い間月例会を続けるとは、やはりみなさん、酒が好きだからだろう。

 店主がトップバッターとして持ってきたのが「明日の日本を語る酒 純米吟醸」だった。ラベルの太陽と、酒名にみんな仰天する。「芋焼酎の『明るい農村』を連想させるラベルだ」というメンバーもいれば、「政治的思想的な雰囲気が漂う、と言われてもおかしくないようなラベルだ」と反応するメンバーも。蔵元さんは、なぜこのような酒名にしたのか、裏ラベルなどで説明してほしいなあ。

 喜多の華酒造場のお酒は当連載でこれまで、2種類を取り上げている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 酒蛙「甘みと苦みを感じる」
 H 「甘いのが先に来るね」
 M 「甘い」
 H 「まずまずの酒だ」
 酒蛙「香りはやや華やか。酸は抑えているような感じだ」
 F 「キレが良い」
 酒蛙「穏やかでまったり、平らな感じのお酒だ」
 H 「そうだ」
 酒蛙「『明日の日本』は平板でいいのか?」
 H 「平板すなわち、平らけく安らけくだから、明日の日本は平和ということなんだよ」
 酒蛙「なるほど。めでたいね。飲んでいたら、ようやく少し酸が出てきた」

 蔵のホームページはこの酒を「福島県の酒造好適米と酵母で醸した、オール福島のお酒です」と紹介しているが、このように紹介するならば、どういうコメを使い、どういう酵母を使っているのかも説明しなければいけないとおもう。だが、瓶のラベルのスペック表示も「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、アルコール分16度、製造年月1.11」にとどまり、使用米や使用酵母について一切触れていない。

 しょうがないので、あちこちの酒屋さんのウェブサイトを見てみたら、使用米は「夢の香」で、使用酵母は「うつくしま煌酵母」のようだ。つまり、蔵元さんは酒屋さんには開示しているのだ。ならば、飲み手にもラベルなどで開示すべきだろう。

 さて、使用米の「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 一方、「うつくしま煌酵母」については、2009年10月20日付の福島民報ウェブ記事で、以下のように紹介している。

「福島県ハイテクプラザが開発した、日本酒の吟醸酒用の新酵母が19日に『うつくしま煌(きらめき)酵母』と命名された。今後、本県オリジナルの酵母とともに本県の日本酒を広く売り出し、ファンを増やすとともに、全国新酒鑑評会での日本一奪回を目指す。煌酵母は、香りが高く女性向けの「C10」、鑑評会出品向けの「G30」、辛口の酒に最適な「R50」の3種類。業界からの新酵母開発の要望を受け、平成15年度から開発に着手。20年度から頒布を始め、現在、10種の日本酒に使われている(以下略)」

 酒名・蔵名の「喜多の華」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「喜多の華酒造場は、大正八年に『星正宗』の銘柄で創業、戦後『喜多の華』の銘柄で復活した復活蔵です。『喜多の華』という名は酒のまち喜多方で一番を目指す事と、皆様に喜び多くすばらしい事(華)がある様に、との願いが込められています」

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