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文化

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【3868】来福 X 純米吟醸 黒 生酒 直汲み(らいふく)【茨城県】

2019.7.19 16:36
茨城県筑西市 来福酒造
茨城県筑西市 来福酒造

【B居酒屋にて 全3回の③完】

 当連載「日本酒津々浦々」は、原則として同じ酒を2回載せることはしていない。ごく例外的に2回載せたものが1~2種類ある程度だ。このため、常に飲んだことがない酒を求めている。このB居酒屋は、わたくしが飲んだことがない酒が冷蔵庫に入っていることが多いので、必然的にしばしば“取材”に訪れることになる。

「無想 心静 純米吟醸 生詰原酒」「臥龍梅 純米大吟醸 生貯原酒 誉富士」と飲み進め、最後3番目にいただいたのは「来福 X 純米吟醸 黒 生酒 直汲み」だった。当連載ではこれまで、「来福」を7種類取り上げている。「来福」には、まったりとした調子の酒というイメージを持っている。これはどうか。いただいてみる。

 ふくよかで濃醇。甘旨い。余韻は軽い苦み。「来福」でこんなに濃醇な酒は初めてだったので、びっくりした。舌にチリチリ微発泡の刺激。酸はどこにいるのだろうか、と玩味すると、酸はやや遅れて登場する。飲み進めていくうちに、最初のアタックで酸を感じるようになった。果実香を感じ、ラムネ的な香味。甘みは、やや飴を煮詰めたような味わい。エンディングの苦みが来福的だ。

 裏ラベルに、蔵元さんの口上が以下のように書かれている。

「頭で考えて飲まずに、感じていただきたくてスペックは非公開にしています。日本酒はこう飲まなくてはという概念を捨て、そのままはもちろん、ロックや炭酸割り、冷酒から熱々のお燗まで、ワイングラスで飲むなど、ご自由にお楽しみください」

 食品の成分表示義務化が進む中、スペック非公開は、時代に逆行するものと考える。堂々とスペックを公開し、どう飲もうとお客さんの勝手です、と言えばいいだけの話だ。スペック非公開は、あまりにも“上から目線”だ。猛省を促したい。

 裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)・米麹(国産米)、アルコール分17度、精米歩合50%、製造年月2018.5」。使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名および蔵名の「来福」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「来福酒造は、1716年(享保元年)、近江商人が筑波山麓の良水の地に創業いたしました。創業当時からの銘柄『来福』は俳句の『福や来む 笑う上戸の 門の松』に由来するものです」

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