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「自分は決してエリートではない」、木村拓哉はじめての刑事役に葛藤も

2019.1.12 8:40
刑事・新田を演じる木村拓哉(C)2019映画「マスカレード・ホテル」製作委員会(C)東野圭吾/集英社
刑事・新田を演じる木村拓哉(C)2019映画「マスカレード・ホテル」製作委員会(C)東野圭吾/集英社
 木村拓哉が、初の刑事役に挑んだ映画『マスカレード・ホテル』(1月18日公開)。本作の原作は、ベストセラー作家・東野圭吾氏によるもので、もともと主人公・新田は「木村拓哉をイメージして執筆した」という。役柄は“エリート刑事”だが、木村自身は“エリート”を演じることに葛藤もあるよう。自身の経験に基づいた、人間観察法についても語った。

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■“エリート役”には眉間にシワ? 木村流の人間観察法も明かす

――木村さん演じる新田は、エリート刑事でありながら型にハマることを嫌うアウトローな部分も持った個性的な人物。刑事とホテルマンの演じ分けも含め、いくつもの仮面をかぶった役なのかなと感じました。

【木村拓哉】いや、そんなこともなかったです。潜入捜査をする刑事がホテルマンになる、という仮面はかぶっていましたが、そこは長澤まさみさん演じる優秀なフロントクラークの尚美さんがいてくれるので。刑事である新田からしたら、“ホテルの人なんて…”といった色眼鏡でホテルマンを見ていた。でも、尚美さんを通じて、それがどんどんクリアになっていき、最終的にはホテルの人たちの仕事への向き合い方やモチベーションに対し、賛同や尊敬が生まれてくる。逆に、自分は上司から「おまえ、いつからホテル側の人間になったんだ」と…その一言をもらわなければいけない話の流れだったんです。刑事とホテルマンの仮面というよりは、彼女を通じて、会話が物語の大事なキーワードになっていくお話なんですよね。自分的にはその流れに沿うことが大事でした。

――新田はエリート刑事ですが、昨年公開された映画『検察側の罪人』の検察官役もエリート。木村さんといえば、『HERO』などアウトロー役も多いイメージですが、どちらが演じやすいですか?

【木村拓哉】自分は決してエリートではないので。最初に役柄を見たときに、“エリート”といいう肩書がついていると、ん~(眉間にシワを寄せる)となってしまうというか…。

――ちょっと心の準備が必要な感じ?

【木村拓哉】そうですね(笑)。ちょっと歯に物が詰まったような感じがしますね。

――新田は人を観察する達人ですが、木村さん自身、普段から人のどこを見て判断していますか?

【木村拓哉】判断というよりは、目の色は見ちゃいますね。”たいして面白いと思ってないんだな”とか(笑)。「面白いです」と言ってくれていても、目の色を見ると“仕事として言ってくれてるなぁ”とか、思ったりしますし。新田まではいかないと思いますけど、目を見ているとわかりますよね、その人の思ってることって。

■東野氏が脚本にもタッチ、「“自由ではない”という感覚」もあったが…

――刑事として人を疑い、ホテルマンとして人を信じる気持ちの狭間で揺れる新田を演じるにあたり、意識したことは?

【木村拓哉】原作の時点で100点な作品なわけですよね。監督にとっても映画会社の人にとっても、この原作を映画化するということがひとつの挑戦だと思うし、相当な覚悟が必要だと思うんです。しかも、東野圭吾さんご自身が脚本に目を通して、「ここはもう少しこうしたほうが」と、人任せにせずにアドバイスしているということは、僕も聞いていました。それだけに、新田浩介というキャラクターをどう構築するかというよりも、まずは東野圭吾という原作者の存在が大きくて。僕の勝手なイメージですけど、小説家はきっと口数が少なくて寡黙なんだろうなっていう(笑)。そんな方が、脚本に目を通して、映画にもつねにタッチしてくれるというのが、ものすごく興奮材料になったんです。

――なるほど。

【木村拓哉】ただ、嬉しさの一方で、“完全なる自由ではない”という感覚でもあったんです。でも、いざ撮影を始めたら、監督から細かな注文もなくて。むしろ、興奮気味な現場の雰囲気を、監督が一番ローダウンさせていたんじゃないかと思いました。「肩の力を抜いて!」みたいなこと言っている監督が、たぶん一番気持ちも入っていたと思うんですけど(笑)。本当に、いろんな出演者の方々が、自分の役や演技をすごくあっためて現場に来るんですよ。それで、「俺の役はこういう役ですよね!」「私の役はこうですよね!」っていう熱いエンジンの状態で来るんですけど、「そこまで吹かさないでいいよ!」って監督がやっていたなぁと、今思い返すと感じます。

――新田も、内面の変化とともにホテルマンの制服がどんどん様になっていくのが見ものでした。

【木村拓哉】はい、制服を着るだけで気持ちも変わりました。それに、何よりも変えてくれたのは、自分が撮影現場に入ったときにもうホテルマンとして出来上がっていた、長澤まさみさんたちの姿勢でした。研修をしっかり受けられていて、本当に同じ角度で全員が頭を下げるし、同じ間で起き上がるんですよ。「いらっしゃいませ」「申し訳ありませんでした」「いってらっしゃいませ」「ありがとうございます」の角度の違いも、僕以外のホテルマン全員ができている。コルテシア東京というホテルが、自分が現場に行ったときにはもうそこにあった。それを見様見真似で身に付けていくという意味では、まさに新田と同じ気持ちで挑めたかなと思います。事件の核心に迫るにつれて起きる、新田のその変化も楽しんでもらえたらと思います。

(文:川上きくえ)

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