【東京舞台さんぽ】「silent」 世田谷代田駅が人気の撮影スポットに


昨年放送され、見逃し配信で大ヒットしたドラマ「silent」。ヒロイン青羽紬(川口春奈)が、病気で難聴になった元恋人の佐倉想(目黒蓮)と再会したのが、小田急線世田谷代田駅(東京都世田谷区)だ。実際にロケ地となった駅舎には、放送中から物語を追体験したいファンが続々と訪れ、人気の写真撮影スポットになった。(共同通信=高田麻美)
西口の改札脇にある駅名を記した看板の前では、青い服や白いコートなど作中での紬の服装をまねた女性たちが、代わる代わる撮影を楽しんでいた。小田急電鉄によると、放送中の昨年11月には、定期利用者を除く乗降客の数が放送前に比べて22・7%増加したという。

改札前のベンチは、想が紬の落としたワイヤレスイヤホンを拾い、2人が再会する場面で登場した。病気のことを告げないまま紬の前から姿を消していた想は、とっさにその場から逃げ出す。

追いかける紬が想の腕をつかんで引き留めたのは代田富士見橋の上。「そんなに私と話したくない?」と尋ねる紬に、想は通じるはずのない手話で一方的に思いの丈をぶつけて去っていく。

動揺する紬の元に、現在の恋人である戸川湊斗(鈴鹿央士)が駆け付ける場面は、駅前広場にある半円形のベンチで撮影された。ベンチに座り、湊斗が紬に渡したのと同じ缶入りコーンポタージュを飲んで世界観に浸るファンも多いという。

小田急線の線路跡を利用して昨年7月に整備された「シモキタ雨庭広場」は、紬と湊斗がデートを楽しんだ場所。周囲の雨水を集めて地下に貯留する仕組みがあり、緑豊かな空間が広がる。

東急世田谷線松原駅近くの踏切は、紬と想が初めて手話で話した後、連れだって歩く場面のロケ地となった。2人の姿を偶然、湊斗が目撃したのを機に、3人の関係は少しずつ変化していく。

【メモ】紬のアルバイト先は渋谷区の「タワーレコード渋谷店」。実際に店舗で撮影された。
