廃材シロップで貧困解決を コーヒー店などで新商品に活用
2022年11月25日


「プラウド リベリカ コーヒー シロップ」の4種類。一番右がウッド=東京都渋谷区
通常は廃材となるコーヒーの花や葉、枝などを活用したシロップが開発された。取り組みに賛同したコーヒー販売企業などが、シロップを活用した新商品を、東京都内の店舗で提供している。
シロップの名前は「プラウド リベリカ コーヒー シロップ」。不動産情報サイトを運営する「LIFULL(ライフル)」が、世界的バリスタと手を組み開発した。
同社によると、フィリピンではコーヒーの生産量が減少傾向にある。生豆販売だけでは生活が成り立たない農家の、新たな収入源を確保し、貧困解決を目指すという。
今回、4種類のシロップを、流通量が少ない「リベリカ種」と呼ばれるコーヒーの木から生み出した。例えば「ウッド」は、間引いた枝を燻製にしており、スモーキーな風味でカクテルの割り材に向いている。

「オガワコーヒーラボラトリー 桜新町」などで提供中の4種類のドリンク。手前真ん中が「杜のかおり」
賛同企業の一つ「小川珈琲」(京都市)によると、東京都世田谷区の「オガワコーヒーラボラトリー 桜新町」など、同社が展開するカフェではシロップを使った計4商品を限定販売。ウッドを使ったチャイラテ風飲料「杜のかおり」(950円)が人気だ。
シロップの開発経緯や、廃材利用で期待される持続可能性に共感する女性客を中心に注文が入る。「シロップを家庭料理にも使ってみたい」との声も聞かれ、同店バリスタの池田奈央さんは「多面的な面白みがある食材ですね」と話す。

「杜のかおり」を提供する池田奈央さん=東京都世田谷区