メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

なるほど漢字物語

文化勲章を受けた漢字学者の白川静さん(故人)の研究を基にして、漢字の体系的な仕組みを楽しく伝える企画です。

(232)「課」 部分を責任持ち引き受ける

2013.2.28 13:17

 「果樹(かじゅ)」「果実」の言葉もあるように「果」は「果物(くだもの)」のことです。「果」をふくむ字には「ある部分にものが密集(みっしゅう)し、しかも区分がある状態(じょうたい)を示(しめ)す」ものが多いです。

232.JPG

 白川静さんの「常用字解(じょうようじかい)」によりますと「果物にはみかんのようにそのような形をもつものが多いから」だそうです。

 こんな理由から、「課」という字には一つ一つの項目(こうもく)に分かれているものの意味、その一つ一つの部分を責任(せきにん)もって引き受ける意味、さらにその部分に責任を持たせる意味があります。

 「課税(かぜい)」は税を割(わ)り当て、取り立てること。「日課」は1日ごとに割り当ててする仕事です。

 「果」は果実ですので、花から実となって外皮のない状態の意味があります。人の「はだか」のことを「(ら)」と言い、衣を脱(ぬ)いだ「はだか」を「

裸(ら)」と言います。

 「裸」の元の字形として「(ら)」という字もイラスト欄(らん)にあげておきました。「」はヤドカリが殻(から)を離(はな)れた姿(すがた)のことだそうです。この字も「はだか」の意味です。

 「果」をふくむ文字で、人の体についての漢字をもう一つ紹介(しょうかい)すると、「踝(か)」がそうです。

 「果」には木の実のようにつぶらなものの意味があって、「踝」は足のつぶらな部分、つまり「くるぶし」の意味です。

 最後に紹介したいのが「(か)」という文字です。これは「巣」とペアとなる文字です。

 まず「巣」のほうから説明すると、これは木の上の鳥の巣に雛(ひな)が見える形です。「巣」の上の三つの点の部分や、「巣」の旧字(きゅうじ)「」の「巛」は、巣中の雛の首が三つ並(なら)んで見える象形文字です。そこから「す、すくう」の意味となりました。

 木の上の「巣」に対して、穴(あな)の中にある巣のことを「」と言います。「穴」と「果」を合わせた字ですが、この「果」もつぶらなものの意味です。丸い「穴」の巣のことで、意味は「すあな」です。(共同通信編集委員 小山鉄郎)

【編注】今回テーマの漢字「課」は小学4年生で学ぶ漢字です

最新記事