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なるほど漢字物語

文化勲章を受けた漢字学者の白川静さん(故人)の研究を基にして、漢字の体系的な仕組みを楽しく伝える企画です。

(298)「平」 手斧で削って平らに 

2014.6.12 10:50
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 やっぱり漢字って、面白いな。旧字(きゅうじ)のほうが分かりやすい字もあるなと思ったのは、「平」という字の説明を白川静さんの字書で知った時です。

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 「平」は「于(う)」と「八」を合わせた形の文字です。「于」は手斧(ておの)の形。「八」は木片(もくへん)のことです。つまり手斧で木を平らに削(けず)って木片が左右に飛び散る形が「平」という字なのだそうです。

 削った木片が飛んでいる様子なら、旧字のように「八」のほうが、左右に散っている感じがありますね。木を平らにするところから「たいら」の意味になりました。

 「平定」は平らげること。「平安」は無事でおだやかなこと。「平和」は戦争がなく、世の中がおだやかなことです。さらに「公平」「平等」など「ひとしい」の意味も「平」にあります。

 「評(ひょう)」の「平」も手斧で木を平らに削り、左右に木片が散る形で「ひとしい」の意味です。公平に評議すること、相談して評価(ひょうか)することを「評」と言います。意味は「はかる、しなさだめ」です。

 「坪(へい)」は「平らな土地」の意味ですが、中国では使われた用例が少ない文字だそうです。日本では「つぼ」と読んで、面積を表す単位に使います。

 1坪は6尺(しゃく)平方、約3・3平方メートルです。建物が占(し)めている土地の面積を坪数で表したものを建坪(たてつぼ)と言います。

 星占(ほしうらな)いなどでは、若(わか)い人にもなじみのある「天秤座(てんびんざ)」の「秤(しょう)」も「平」をふくむ文字です。これは「禾(か)」(穀物(こくもつ)のこと)と「平」を合わせた字で、穀物の量をはかる天秤のことです。

 でもこの「秤」は、もともとは「称(しょう)」の俗字(ぞくじ)でした。「称」の旧字は「稱」で、これは「禾」(穀物)と「冉(ぜん)」(重りの形)と「爪(そう)」(手のこと)を合わせた文字です。

 つまり称(はかり)(稱)を称(あ)げて、穀物の量を称(はか)る意味の文字。後に天秤を用いて、錘(おもり)と平衡(へいこう)をとるので、「秤」の文字が作られました。(共同通信編集委員 小山鉄郎)

 【編注】今回テーマの漢字「平」は小学3年生で学ぶ漢字です。「評」は小学5年生で学ぶ漢字です

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