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(番外編2)「端」  髪飾りをつけて座る巫女  

2014.7.10 16:19
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 「あの人は忍耐力(にんたいりょく)がある」。そんなふうに使う「忍耐」の「耐」の中に「而(じ)」の字形がありますね。この「而」は髪(かみ)を結ばず、頭髪(とうはつ)を切っている人の正面形です。この「而」をふくむ字は、ふだん使う漢字にもかなりあります。その紹介(しょうかい)です。

bangai2tan.JPG

 まず「耐」の「而」は 結髪(けっぱつ)をしないで、神に仕える人の姿(すがた)です。その人たちを巫祝(ふしゅく)と言います。

 「寸(すん)」は「手」の形です。「而」に「手」を加えて巫祝を使い働かす姿が「耐」です。使われる仕事によく「たえる」ことを「耐」と言います。

 「耐」に「ひげを落とす刑罰(けいばつ)」との意味もあるそうです。古い字書に「罪(つみ)があるもこん(こん)に至(いた)らざるものなり」とあります。

 「而」は頭髪を切った人の正面形ですが、その側面形が「兀(こつ)」です。それに髪を表す「髟(かみがしら)」を加えた形が「こん」の正式な文字です(イラストを見てください)。この「こん」は髪を切る軽い刑罰ですが、「耐」はさらに軽く、髪を残して、ひげを落とすだけの刑のようです。

 「而」に「山」をのせた「たん(たん)」は若(わか)い巫女(みこ)が、きちんと座(すわ)っている姿です。「而」は結髪しない姿。「山」の部分は髪飾りのことです。つまり結髪をせず、髪飾りをつけた巫女がきちんと座っている姿が「たん」です。

 その「たん」に「立」を合わせた字が「先端(せんたん)」の「端」です。この「立」は一定の位置にいる人の姿です。つまり「端」は 端然と(きちんと) 礼儀(れいぎ)正しくいる姿です。

 儀式の際(さい)、神に仕える巫祝たちがいる位置は左端にありました。それゆえに「はし」の意味になりました。そこから数え始めるので「はじめ、いとぐち」の意味にもなります。

 「瑞穂(みずほ)の国」とは瑞々(みずみず)しい稲穂(いなほ)が実る日本の美称(びしょう)です。その「瑞(ずい)」は髪飾りをつけて端然と座る巫女が祈りの際に持つ瑞玉(ずいぎょく)です。そこから瑞祥(ずいしょう)(めでたいしるし)などの言葉も生まれました。「瑞」の意味は「しるし、めでたい」です。(共同通信編集委員 小山鉄郎)

 【編注】今回テーマの漢字「端」は常用漢字です。「耐」も常用漢字です。

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