(730) 彼らなりに一生懸命生きている エゾヒグマ 

2022年09月24日
共同通信共同通信
メスのとんこ
メスのとんこ

 

 北海道旭川市の旭山動物園。新しくできた「えぞひぐま館」のあたりに人がたくさん集まっている。えさをやりながら話をしてくれる「もぐもぐタイム」だ。ケージの前には担当の大内章広(あきひろ)さん。

 「エゾヒグマとホッキョクグマを見て『色がちがうね』で終わるのはもったいない。ホッキョクグマは肉食ですが、エゾヒグマは植物質のものをたくさん食べて、地面をほってアリを食べたりもしています。だからたとえば、ツメもちがいます」。ケージの前にいるメスのとんこを見ると、ツメが長くてまっすぐだ。ちがいはほかにも。

 「ホッキョクグマは泳いだり、ブリザードという暴風雪もある中で生活しているので体が流線形です。頭が小さくて首が長い。エゾヒグマはホッキョクグマより体は小さいですけれど筋骨隆々、ゴツゴツした感じです」

 北海道でヒグマがふえている理由も説明してくれる。とんこは子グマの時、母グマと人里にあらわれて母グマがころされ、動物園に来た。動きも顔もおっとりしていて、親しみを感じる。

 「ヒグマはいなくなればいいと思うかもしれませんが、彼らなりに一生懸命生きているだけです。同じ土地にくらすたくさんの生きものに興味を持って、どうすれば共にゆたかな自然のめぐみを受けて生活していけるか考えてほしい」(文・写真、佐々木央)

すわるとんこ
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