(729) 愛情深く子育てする ホッキョクグマ(下) 

2022年09月18日
共同通信共同通信
ホッキョクグマのピリカと子ども
ホッキョクグマのピリカと子ども

 

 さっきまで水中に潜ったり、泳いだりしていたのに、今はプールからあがって、お母さんにくっついて歩いている。

 北海道旭川市の旭山動物園で去年12月、ホッキョクグマの赤ちゃんが生まれた。ぐんぐん大きくなって元気いっぱいだ。

 担当の大西敏文(おおにしとしふみ)さんによると、旭山でホッキョクグマが順調に育ったのは40年ぶり。「お母さんのピリカにとっては初めての出産ですが、がんばって子育てしています」

 生まれたばかりの赤ちゃんの体重は約500グラム。「ピリカは約200キロなので400分の1。人間にたとえると、体重60キロの女性が150グラムの赤ちゃんを産む計算になり、未熟児どころじゃない小ささです」

 プールで泳げるようになったのは今年5月半ば。「ピリカが子どもをプールにさそうような動きをして泳ぎを教えました。泳げるようになったら、次は子どもを前足で軽くおしてしずめ、潜水を教えているようでした。今は泳ぎも潜水も上手にできます」

 いつの間にか、お母さんのおっぱいにすいついている。ピリカが右の前足を少し上げているので、赤ちゃんをかばっているみたいに見える。

 「極地のきびしい自然の中、愛情深く子育てをしている野生のホッキョクグマたちを、動物園の親子を見て想像してもらえたらうれしいです」(文・写真、佐々木央)

おっぱいをすう子どもをかばうようにするホッキョクグマのピリカ
おっぱいをすう子どもをかばうようにするホッキョクグマのピリカ