(714) 漁業に役立つことを目指す アカムツ(下) 

2022年06月01日
共同通信共同通信

 

水槽の底のほうにたくさんいた
水槽の底のほうにたくさんいた

 

新潟市の水族館、マリンピア日本海で8年前から展示を始めたアカムツ。いま、大きな水槽の底のあたりをたくさん泳いでいる。でも、むれという感じではなく、泳ぐ方向はばらばらだ。

 「この水槽にいるアカムツはほとんどオスなんですよ」。担当の新田誠(にったまこと)さんが意外なことを言いだした。

 アカムツはメスとオスで大きさがちがう。「オスは全長20センチぐらいにしかならない。メスは40センチぐらいまで成長します」。たしかに水槽のアカムツで大きいのは、2、3匹ぐらいだ。

 新田さんによると、卵をとってふ化させたアカムツにメスがいる割合は、100匹に1匹か、もっと少ない。メスが生まれないと、水族館で代々、繁殖させていくことができない。「どうしたらメスが生まれるのか、研究を続けています」

 アカムツは別名ノドグロとよばれる高級魚だ。どんどん育てることができたら、安く食べられるようになるのかな。

 「目指しているのは、漁業に役立つことです。人気のある魚なので、漁師さんはたくさんとりたい。とりすぎると減ってしまう。でも『とらないで』と言ったら漁師さんは収入がなくなるから、『これぐらいで』とお願いしなきゃいけない。人の手で育てたアカムツを海に放流すれば、『これぐらいで』という枠をふやすことができます」(文・佐々木央)=2022年2月配信

生まれて73日のアカムツの赤ちゃん(マリンピア日本海提供)
生まれて73日のアカムツの赤ちゃん(マリンピア日本海提供)