(681)100頭近くが暮らす楽園 カピバラ

数えてみた。目に入るだけで60頭以上。でも、ここからは見えない場所に、もっといそうだ。
徳島市のとくしま動物園のカピバラたち。とても広い運動場には、池や川のような水場もある。カピバラの楽園だ。
いったい何頭いるんですか? 担当の木村善子(よしこ)さんに聞いた。
「96頭です」。えーっ、100頭近くいるんだ。「最初はオス1頭、メス2頭で、どんどんふえてきました」
そんなにたくさんだと、飼育は大変じゃないんですか?
「えさがみんなにいきわたるように、運動場全体に置いています。そうじは数人で、カピバラのようすをよく観察しながらやっています」
見ている間に、1頭が別の1頭を追いはらうようにした。けんかは起きないんですか?
「1対1が多くて、たくさんのカピバラがからんだ闘争(とうそう)はあまりありません」
夕方、池の中に並んで入って頭だけ出していた。温泉につかっているみたいだ。仲良しグループかな。「大きな群れが三つ、小さな群れが二つか三つあります。気の合う仲間が集まっているようで、ゆるい集団です」
子どもがまとわりついてるのはお母さんかな。えさの草を口で受けわたしている2頭もいる。
「運動場が広いので全速力で走ったり、ジャンプしたり…。カピバラのイメージを変える行動を見ることができますよ」(文・写真、佐々木央(ささき・ひさし)=2021年7月配信